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【市長選のひとびと】(下)政界人脈

2010年03月24日 15時00分

水面下に隠れた石川知裕氏(右中)と前面に出る中川郁子氏(左中)。政界人脈はさまざまな動きを見せている(上左から砂川敏文氏、鈴木宗男氏、下左から大石清一氏、佐藤糸江氏)

裏方の石川、表舞台の中川夫人

 「米沢さんの当選を目指し、皆さんと歩む」

 14日に帯広市内で開かれた民主党十勝・帯広の会合。衆院議員の石川知裕(36)が民主党離党後、久しぶりに公の場に姿を見せた。自分と同じ来賓席に座る米沢則寿の必勝を強調した。

 石川は昨年衆院選で自民の中川昭一(故人)を破り、十勝の代表に。本来なら市長選でも陣頭指揮を執るはずだった。ところが政治資金規正法違反で起訴され暗転。断腸の思いで離党し、「おわび行脚」の日々を送っている。

 米沢が「市民党」を掲げる以上、推薦する民主の主要メンバーは「裏方」に徹し、石川本人も水面下に隠れた。石川の側近は将来の復党を視野に「米沢が望めばどんな応援でもする」と語る。共に浮上を狙う両者の思惑はピタリと一致する。

米沢に鈴木と山田
 呼応するかのように衆院議員の鈴木宗男(62)も米沢に回り、代表を務める新党大地が推薦した。鈴木は「ひたむきさがある。帯広で生まれ育ち、中央で一旗揚げた。官僚政治の流れをくむ市政を思い切った発想で意識改革するのは米沢さん」と語る。鈴木、石川とパイプを持つ市議の山田■(りん)太郎(64)は、前回市長選で米沢擁立に動いた1人。今回も独自の人脈を駆使し、参謀的な役回りを担う。

 対する上野敏郎の陣営で「切り札」となっているのが中川郁子(51)。夫の昭一の死去後、十勝の自民党は核を失った。旧中川後援会が解散し機能停止状態にある中、郁子は表舞台に立ち、支援者回りを重ねる。陣営では中川支援者が動き出すのを期待する。

 上野の後援会事務所開きでは「『日本が危ない、十勝が危ない』との主人の言葉を少しずつ理解できるようになった」と語り、中川の「弔い合戦」を演出。自らが次期衆院選の最有力候補と目されている状況に臆(おく)せず、保守勢力の結集を訴えた。

上野に女性陣奮闘
 対照的に静かなのが、過去3回の市長選で自民・保守の支持を受けた砂川敏文(62)。昨年夏にがんを患い、復帰はしたが、周囲には「声を掛けづらい」との空気が漂う。今期で勇退、後継について聞かれても「私が触れるのは適当でない」とする。

 砂川に代わって事務所に顔を出したのが妻の冨美子(62)だ。上野の妻の裕子と行動を共にし、支持を訴えた。女性陣の活発な動きは、陣営に勢いを与えている。

共産は「自主投票」
 一方、32年ぶりの不戦を決めた共産は表向き「自主投票」を決め込む。ただ、同党十勝地区委員会委員長の佐藤糸江(63)は「貧困と格差を広げた自公政治を踏襲する市政の継続は認めない」と語り、自民・上野陣営は警戒感を強める。

 砂川市政では与党の公明。同党十勝総支部長の大石清一(57)は現時点で「政策次第」を強調し、態度を明らかにしない。政治関係者は「一騎打ちは公明が存在感を増す絶好機。タイミングを計っている」とみる。

 次期衆院選・統一地方選への布石、新市政での影響力…、さまざまな思惑が絡みながら選挙戦は本番を迎える。
(文中敬称略)
※山田■(りん)太郎氏のりんの字は馬へんに米の下に舛です。

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