特集
【あの日あの時−十勝ひと物語−】 前ホクレン会長 矢野征男さん(5)
各産業とのつながり
道民の道産品消費向上で一致
「互いの団体が対等の立場で参画する協議体をつくってはどうか」
北海道経済連合会(道経連)への加入問題が暗礁に乗り上げていたときに、北海道商工会議所連合会(道商連)会長の高向巌さん(北洋銀行会長)の呼び掛けで「北海道産業団体協議会(北産協)」を発足させることができました。
道内には各産業分野に経済団体があります。横のつながりでは、北海道漁業協同組合連合会(道漁連)が最初。当時、会長だった北島哲夫さんとは同じ1次産業で中央要請で顔を合わせました。道産米の食率は漁業地域が低く、北島さんと会ったとき、「道産米もおいしくなった」と販売協力をお願いしました。
当時、ホクレンと漁連の取り引きは年間1億円程度でしたが、この話が発展し、それぞれの店舗や販売ルートを生かし、商品の販売拡大や新商品開発を目指すことになり、2001年3月に両団体で事業提携の協定を結びました。年間取扱高の目標は10億円でした。
その後、道経連から加入の誘いがありました。副会長の林光繁さん(十勝毎日新聞社会長)からも声を掛けられました。しかし、加入について「商系の団体に巻き込まれる」といった異論が組織内に出ました。身動きが取れない状況を察し、高向さんが協議会を提案したのです。
北産協では、発足時に私と高向さんが代表理事を務めました。各団体が抱える問題を報告する中で、道産品を道民が消費することが北海道の経済を強くするとの考えで一致。その第一歩として道産米の食率向上に取り組むことになりました。
各団体のトップらがイベントなどに参加し、道産米PRに努めてくれたおかげで、道産米の食率は1996年に36%だったのが、2006年には75%まで向上。WTO(世界貿易機関)や日豪EPA(経済連携協定)に関する農業者の大会に道商連や道経連から参加してもらい、農業団体と協調する姿勢を打ち出しました。私も道商連の大会であいさつしました。良い関係が今日まで続いています。
道内の主要産業団体が横の関係を持ったことは、その後の各地域での農商工連携に波及しました。農協は、経済的弱者の農民が経済的な利益を得るための人的結合体ですが、産地間競争や海外産地との競争が厳しくなる現状では、多くの方々の力を借りなければ、生き残れない。農業が地域社会から孤立してはならないのです。(聞き手・平野明)
−北海道産業団体協議会−
北海道産業の活性化を目指して道内の産業6団体(ホクレン、JA道中央会、道商工会議所連合会、道経済連合会、道漁協連合会、道木材産業協連合会)が2005年2月に発足させた。産業各界の連携を密にした産業振興策や道内資源を高度活用した産業開発に関する調査・研究、中央への陳情、要望活動などを事業方針としている。
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