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【美食ナビ-首都圏事情-】 素材の味

2010年03月14日 15時40分

日ごろから向き合い「違い」知る
 外食ばかりしていては、財布の中身とおなか回りのお肉が反比例してくる。ご飯を作るにも1人暮らしをしていると、料理はおろそかになりがち。喜んでもらえるだれかのために料理を作るのと、自分のために作るのでは気合の入り方がまるで違う。それでも、納豆かけご飯と冷ややっこの生活が日常になるのはちょっと寂しい。

 昔は母親に「えらい」と褒めてもらえることがうれしくて、台所で手伝いをよくした。新社会人になったときも上司に褒められることをやる気につなげて、仕事を頑張った。今や、だれかに褒められずとも、1人でやらねばならない30代だ。1人でもきちんと丁寧に、食を楽しめる生活にしようと決意した。

 まずはベース作り。既製品ではなく、一から自分で作ることが目的だ。お店のシェフにおいしいトマトソースの作り方を尋ねる。身近にプロの先生がいるのは心強い。シェフは「この違い分かる?」と2つのトマトソースを出してくれた。食べ比べると明らかに違う。

 1つ目は柔らかな酸味が口の中に広がる味。2つ目はコクを感じるなじみある味。考えている私に、「1つ目のソースに、冷蔵庫に必ず入っているあるものを加えたんですよ」と。ほんの少量入れただけでこれだけ違う。その正体はトマトケチャップ。2つ目の味は、なじみ深いだけにおいしいと感じるし、味も均一に仕上げることができる。1つ目は素材だけの味だ。

 素材とは、均一なものではない。同じ素材でも季節や品種によって、味は大きく変わる。既製品になじみ過ぎているとホンモノが見えなくなり、素材に日ごろから向き合っていないと、違いが分からなくなってしまう。

 違いが分かる30代を目指し、トマトソースのベースとなるブイヨンも自分で作ろうと意気込んでいるところだ。
(十勝屋総支配人・林真由)

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