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【年間キャンペーン 350万市場への道】第2部 十勝の現状と課題−5−

2010年03月03日 16時22分

 東十勝7町(幕別、池田、豊頃、本別、足寄、陸別、浦幌)と十勝毎日新聞社、十勝観光連盟が主催した「道東道全通に向けた地域戦略シンポジウム」が1日、本別町中央公民館で開かれた。第2部の締めくくりとして、基調講演の要旨とパネルディスカッションの内容を採録する。
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小樽商大教授 船津秀樹氏基調講演

全線開通に向けた地域戦略シンポ
「人と緑への投資」が重要
「交流人口拡大と地域振興戦略」


移動する消費者
 経済学の新しい考え方は「移動する消費者」。交通手段の発明で、所得を得ている場所と消費する場所は必ずしも一致しない。魅力ある地域には消費者が自ら金を払ってやって来てくれる。消費者が簡単に移動できる時代になると、観光・レジャーといったサービス産業を外国の人にも「輸出」できるようになる。小さな町や村でも特色ある景観や雰囲気が仕事を生み出す。

 生活の在り方と質が問われる時代になり、大都市で暮らす人にとって緑の価値が高まっている。日本では「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズがあるが誤解を招く表現で、「人と緑への投資」が重要になる。人間は1つの場所にいるわけでなく、人間が作り出した技術で「移動する手段」を持っていなければいけない。

 21世紀は「人と緑」「人と緑を結び付けるもの」への投資が必要で、高速道も子や孫に欠かせない重要なインフラ。北海道全体の人口は減るとしても、われわれが造ってきたいろいろな社会資本を活用し、将来の北海道で暮らす人たちが豊かな人生を送れるよう整備することが必要。道央圏と自然環境に恵まれた十勝が高速道で結ばれることは非常に意味がある。

 十勝は世界経済の中心となる東アジアの中で輝きを増す可能性が十分。十勝は緑が豊富で帯広畜産大、北見工業大という理系の大学が近くにあり、大学と地域が連携して付加価値を創造できる力を持っている。1次産業に欧州並みの競争力があり、寒暖の差があることもビジネスを生む要素になる。

 小樽から本別に来てみて、高速道ジャンクション沿いに可能性のある土地が広がっている。その気になればいろいろなビジネスのビジョンを持つ人が立地するには良い環境が整備されている。利用するのも民間企業がある程度のリスクを取って行わなければならず長い年月が掛かるかもしれないが、十勝は平らな土地でこれだけの緑が広がっている。北海道の中心的な地域として発展してほしい。

10年先見据え行動
 道東道の整備と無料化で、札幌圏からかなりの人が来る。十勝全体でコンパクトな田園都市を形成し景観を含めた魅力のあるまちづくりをすれば、多くの人にとって心のオアシスになる。東アジアの人に日本、十勝を楽しんでもらうには何が必要かマーケティングをしなければならない。10年くらい先を見据え、外国人の目で自分たちの地域を見直していくことも大切では。

 世界経済、日本経済も二番底のリスクは回避しつつあるが、景気回復の足取りはゆったりしたものにならざるを得ない。こうした時期こそ、長期的な視点に立った着実な地域戦略が必要。高速道開通という交流人口拡大のチャンスをうまく活用し、道内他地域とも協力してこの地域の活性化に前向きな投資を行う必要がある。(岩城由彦)

6~12時 12~18時
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