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【年間キャンペーン 350万市場への道】道東道シンポ パネルディスカッション要旨

2010年03月03日 15時56分

 「道東道全通に向けた地域振興シンポジウム」のパネルディスカッションには、十勝町村会の高橋正夫会長(本別町長)、道東道とかち連携協議会の野村文吾会長、日銀帯広事務所の河合博所長、小樽商大の船津秀樹教授が参加し、6月がめどの無料化と2011年度の道東道全線開通が十勝にもたらす影響について活発に議論した。内容を採録する。
(年間キャンペーン取材班)
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右から日銀帯広事務所 河合博所長、道東道とかち連携協議会 野村文吾会長、十勝町村会 高橋正夫会長

「350万人マネー」取り込みを

無料化
河合 観光と物流両面で利点
野村 運輸の安全に担保必要
高橋 体験型観光在り方模索

 司会 無料化、全線開通が十勝にプラスとマイナス、どのような影響を与えるか。

 河合 いわゆるストロー現象で、十勝から札幌に出て札幌圏の消費が増える。一方、観光はプラスの効果が期待できる。物流コストも大きく低下する。トータルで多分にプラスに出る。四国の高松では瀬戸大橋(瀬戸中央自動車道)の利用料金が、昨年の上限1000円で1杯300円のうどんを食べに本州からたくさんの人が来ている。このように札幌圏から十勝に求めてくることも想定される。地域の努力、さらには、NHKの大河ドラマのようにご当地ドラマや地域で撮影された映画など、情報発信の援助があれば、人をもっと引き込める。

 野村 無料化は十勝にとって有益。十勝のネームバリューの浸透は進んでおり、全線開通、無料化で多くの観光客が来勝する。ストロー現象が心配されるが、350万人のマネーが十勝に入る方がずっと多い。効果を最大限に発揮するためには、地域の個性を生かした連携が重要だ。道央、道東、道南と地域間競争がますます激しくなる中、道南方面は有料のままで十勝には有利。一方、運輸面での安全安心面が心配だ。道東道は、残念ながら暫定1車線。何かあると渋滞を引き起こすし、出口が限られているので逃げ道がない。安全性を担保してもらいたい。

 高橋 ストロー現象は、整備を求めてきたころから議論してきたが、圧倒的に人口が多い道央から十勝への入り込みが増える。「こんなに近くなったんだ」ということを発信するチャンスが到来した。しかし、十勝ならではの安全安心の食や観光が、札幌圏で細かく知られていない。各市町村が連携して、それぞれの素晴らしい食文化を見つめ直し、体験型観光の在り方を考える必要がある。心配なのは、1車線による渋滞。いかに、事故のないように道路を利用していくかだ。
 
 船津 観光客が増え、十勝の需要は高まる。小樽でも一時、容量を超えた需要に対応しきれず、接遇が悪くなった。十勝の容量を考え、長期的に良いサービスを提供しないといけない。

戦 略
河合 景色と食をセットに
野村 ICごとルート策定
高橋 十勝圏が一体に連携

 司会 無料化を控え、われわれ地域としてどんな戦略が必要か。

 河合 まだ道内を旅行したことがない人に、十勝に行ってみたいと思わせる仕組みづくりが必要だ。そのために十勝らしい景色、イベントを紹介し、魅力を伝えていくこと。映画、テレビ、ニュース、機内誌やインターネットなどに紹介されれば、多くの人が十勝の魅力に気付いてくれる。十勝の主産業は農業。各市町村がえりすぐりの農産物を生かした「一村一品料理」を作り、目玉にしてはどうか。私も、イモ団子やカボチャ団子を食べたときに感動した。十勝らしい景色を見ながら、一村一品料理を食べることができるとなれば、今まで以上に人が来るだろう。

 野村 十勝にはいろいろなジャンルの素晴らしい資源がある。残念なのは、私たち自身が見慣れてしまい当たり前と感じていること。住んでいる人がもう一度十勝の素晴らしさを再認識し、「ここの次はあそこ」というように、重ねて提案することで、フルに十勝を楽しんでもらうことが大事だ。一人ひとりが情報発信すること。これが十勝に人を呼び込む原動力になる。池田町の「まきばの家」と「ボーヤファーム」は、ライバル同士だが連携し合ってお客様を呼び込んでいる。十勝川温泉も各施設が一つになってお客様が求めていることを真剣に研究し、実践している。広域連携では十勝の枠組みを超えて、富良野、旭川、十勝の観光ガーデンが手を結んでいる。単発では届かない情報も、連携することによって「1+1」を「3」にも「4」にもしていける。無料化で求められることは、IC(インターチェンジ)ごとにいろんな企画を練ること。ICを降りて、30分から1時間で回れるモデルルートをつくりたい。スマートICを設けて、途中にある地域に降りやすくすることも大切だ。連携と地域の強みを生かすことがキーワードと思う。

 高橋 道路網がきちんと整備されれば、観光面だけではなく、物流面でも大きな経済効果が期待できる。一方、緊張感を持って対処しなくてはいけないこともある。道路のネットワークが完成したことによって、空の便との連携、経済活動、観光、医療も大幅に立ち位置を考え直していかなくてはいけない。それぞれの持ち味を生かしながら、十勝圏は一つという考えで連携を深めて対処しなければ。豊かな原材料の付加価値を高めて350万圏域の人たちを呼び込む。さらには、十勝のすぐ後ろには、釧路湿原、阿寒湖という大きな資源も控えている。これらと連携をしながら、十勝の発信力を高める最大のチャンス。十勝圏域はもちろん、道東すべてが発展することは間違いないし、期待している。

資源を共有し魅力発信
来場4町長ら発言
 パネルディスカッションの会場には、主催する関係自治体の首長や行政機関の代表も来場し、道東道全通に向けた十勝の可能性について語った。発言要旨を紹介する。

支庁も協力、役割果たす
 ■竹林孝十勝支庁長
 道東道の全通で安・近・短で楽しむ旅行が中心になる。十勝のブランド力は高いが、個々町村や観光地のパワーはまだ弱い。十勝支庁として専属の人員配置も検討し、皆さんと連携して役割を果たしたい。

最低限のネットワーク完成を
 ■安久津勝彦足寄町長
 高速道ネットワークがまもなく完成するが、最低限の交通ネットワークを形成してもらわないと地域間競争にもならない。地域の方々と一緒に努力していきたい。

全体での受け入れ体制必要
 ■岡田和夫幕別町長
 幕別町は高速道と直接はつながらないが、パークゴルフ発祥の地であり、札幌や旭川から楽しみに来る人もいる。さらに広がればありがたい。十勝全体で受け入れる体制づくり、イベントの開催が必要では。

生き残りに直結する
 ■宮口孝豊頃町長
 より早く、より遠くに行けるのが高速道路。高速道路に乗り遅れた町村は衰退する。道東・十勝が一つになり、観光資源を共有しながら呼び込むことが生き残れる町村につながると思う。

IC核に交流人口拡大
 ■水沢一広浦幌町長
 昨年開通したIC(インターチェンジ)を核にしながら町の活性化、交流人口を広げていきたい。今年は大阪の高校が修学旅行で1600人来る。十勝全体をもっと魅力ある地域にできれば、もっと活用できる。

まず住民が楽しむこと
 ■鎌田貢次帯広開発建設部部長
 「シーニックバイウェイ」などいろんな活動団体が頑張っている。地域住民が自分の生活を本当に楽しむことがまずは大事で、そのような魅力を発信しない限りは他から人が来ない。

6~12時 12~18時
13日の十勝の天気
最高気温
-2℃
最低気温
-15℃

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