特集
【サンデートーク】 村山 敬樹さん
釧路地裁初の裁判員裁判で主任弁護人を務めた
弁護士 村山 敬樹さん(35)
限られた日程で評議尽くせる努力を
市民6人が刑事裁判に参加する裁判員裁判が16日から19日までの4日間、釧路地裁で初めて開かれた。裁判員は判決後、連日の開廷に疲労感を漂わせながらも「貴重な経験だった。納得できる成果を出せた」と晴れやかな表情で感想を語った。道東初の同裁判で主任弁護人を務めた帯広在住の村山敬樹弁護士に、従来の刑事裁判との違いなど新制度の意義や課題を聞いた。(文・吉良敦 写真・塩原真)

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書面など工夫
−初の裁判員裁判を体験された感想は。
冒頭陳述や弁論などを行う際のスピードや呼吸の取り方に気を使い、これまでとは異なる緊張感がありました。公判が始まるまでは長いと感じましたが、いざ始まるとあっという間の4日間でした。
−これまでの裁判との一番の違いは。
証拠の一覧表を作った点です。これまでは裁判官に分かってもらう書面を出していましたが、裁判員の方に分かってもらうよう表現を変えるなどの工夫をしました。一覧表には空欄も設け、自由に書き込めるようにしました。提出する書面の量は減ったけれど、分かりやすくする分、作業自体は増えた感じがします。
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随所に市民感覚
−裁判員の質問に市民感覚を感じましたか。
被告の父親への証人尋問で「被告を突き放すことは考えましたか」という質問がありました。子どもを育てたご経験から出たのでしょう。被告に対し「どうすれば謝罪の手紙を被害者に受け取ってもらえると思いますか」という質問もありました。法曹関係者なら謝罪を受け取っていない事実は確認するけれど、受け取ってもらう方法には触れないと思う。これも市民感覚ではないでしょうか。
−釧路での開催は負担でしたか。
被告の身柄が釧路に移されたのは昨年12月ごろですが、それ以降、裁判が終わるまで帯広と釧路を9往復しました。車やJRを利用しましたが、1往復5時間とすると単純計算で45時間は移動に費やしました。釧路の弁護士も選任されて2人になったから対応できました。
−より良い制度にするための提言を。
検察官も弁護人も一見して分かるような主張、立証を追求することです。裁判所には評議が尽くせるよう努めてほしい。審理日程が限られているため結論を急ぐのは分かりますが、そこに気を取られ過ぎたのでは本末転倒。今回は十分評議されて結論を出されたと考えています。
むらやま・たかき
1974年(昭和49年)帯広市生まれ。帯広啓西小、帯広第五中、函館ラ・サール高を経て中央大学法学部卒。2002年に司法試験に合格。札幌市内の法律事務所で3年間勤めた後、07年10月に故郷に戻って法律事務所を開いた。趣味は温泉巡りや読書。市内で妻と暮らす。



