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【年間キャンペーン 350万市場への道】第2部 十勝の現状と課題−3−

2010年02月26日 15時10分

柳月スイートピアガーデンを訪れる管外ナンバーの車両。十勝観光との連動を意識した情報発信が効果を上げている

小売業界

カギ握る地域情報の発信

 「十勝ならではの食文化や観光資源を活用し、道央圏に吸い取られる2倍の人、お金を取り戻す」

 道央圏とのアクセス向上に反比例する形で地盤沈下が進行する地元小売業界。帯広商工会議所商業委員会の臼井呉行委員長は「反転攻勢」の決意をにじませる。

複雑な「両刃の剣」
 道東道の全通と無料化で、かつてない「至近距離」となる巨大市場。関係者の胸中を脅かすのは「高級ブランド、豊富な品ぞろえを求めて道央圏に流れる顧客の引き留めは困難」との不安だ。

 市商店街振興組合連合会の夷石行夫理事長は「現時点で全通、無料化の影響は何とも言えない」と複雑な表情。地元企業にも「高速インフラが整えば十勝に営業拠点を維持する必要性が薄れる。道央圏への資本集中が加速する」との懸念が漂う。「道東道は地域にとって両刃の剣」−。十勝の産業界にはこんな思いが入り交じる。

 道央圏の「財」をどう引き寄せるか。北海道菓子工業組合十勝支部(支部長・田村昇柳月社長)は2007年、帯広洋菓子協会(上田敬一会長)と協力し、高速インフラ充実を見越したスタンプラリーを開始。管内に点在する菓子店を「線」で結び、新たな観光ルートを提案した。

観光を絡め「線」に
 スイーツを発信して管内周遊を誘導する取り組みで、根幹にあるのは「十勝の魅力的な情報を『移出』し、道央圏の財を『移入』する」との発想。「点」から「線」へと情報の付加価値を高めることができた大きな要因は高速道だ。スタンプラリーには網走、釧路はもちろん、道央圏からの参加者も増えている。

 道東道音更帯広インターチェンジ(IC)に程近い「柳月スイートピアガーデン」は年間約60万人もの集客を誇り、菓子店の枠を超えた観光地として全道に認知されている。田村社長はここでも十勝観光との連動を想定、店舗を地域情報の発信拠点とするべく、十勝のPRコーナーの拡充に力を入れる。

 来店をきっかけに管内観光に足を延ばす人も多い。小売りと観光の連動は地域全体に波及効果をもたらし、十勝らしさが際立つビジネスモデルの発掘にもつながっている。

 田村社長は「高速道無料化のメリットはICを気軽に出入りできること。ICごとに観光客を引っ張るアイデアがあってもいい」と提言、「何より必要なのは高速道を『十勝発展のために活用する』という仕組みづくり。成否は充実した地域情報を道央圏に送り込めるかに懸かっている」
(澤村真理子、関根弘貴)

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