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【検証 2010帯広市予算】<下>地域経済へ配慮

2010年02月21日 15時44分

馬券発売が年々落ち込むばんえい競馬。競馬場の観光拠点化が経営再建につながるのかは不透明だ(メーンスタンド)

一時的な刺激策に終始
競馬 課題抱え継続

 「雇用の確保、教育施設の耐震化などを通じて、地域経済の下支えを切れ目なく処置した」

 砂川敏文市長は19日の記者会見で、骨格予算の編成に際して地域経済、市民生活に配慮した点を強調した。市税収入が年々目減りする中、膨らみ続ける福祉予算と「産業振興」の両立に腐心したことをにじませた。

公共施設耐震化などに16億円弱
 砂川市長が継続事業のポイントに挙げたのが(1)地域経済・雇用への配慮(約18億円)(2)防災関係(約3億5300万円)(3)観光振興(約3900万円)(4)義務教育施設整備(約18億円)−の4項目。

 雇用対策には道の基金を活用した「緊急雇用創出事業」に計1億2000万円弱を計上した。事業者都合による離職者などへの一時的つなぎ雇用を図るもので、市は最長6カ月、最大100人の臨時職員の雇用を予定する。

 地元中小企業への配慮では「公共事業3カ年プラン」(08〜10年度)も拡充、16億円弱を盛り込んだ。公共施設の耐震・延命化、街路整備などを講じる。また豊成小移転改築(約12億円)、翔陽中整備費(約5億8000万円)も盛り込み、「地域経済への配慮」の体裁は一応整えた。ただ、いずれも一時的な刺激策に終始した感は否めない。

 一方、軌道に乗らないまま後任市長にバトンタッチする懸案も。発売不振が続くばんえい競馬のことで、来年度の事業費は今年度当初より約6億円(5.2%)減の約111億円で組んだ。単独開催初年度は黒字だったが、その後の馬券発売は厳しい状況が続いている。

 骨格編成の中、砂川市長は政策予算的な色彩が濃い帯広競馬場の複合施設化事業費(今後5年間の債務負担行為設定)を計上した。観光拠点化することで、相乗的に競馬振興につなげるのが狙いだ。砂川市長は馬券発売への波及効果に関し「定量的にいくらかは出せないが、多くの客が来るので競馬にはプラス」と述べた。

 半面、複合施設化をめぐっては、地主の十勝農協連との間で敷地利用の期間などをめぐり認識のズレが生じている。小森唯永市議(新風21)は「市と農協連の間で共通認識を持つことが大事。その努力が足りないともめる原因になる。複合施設だけでなく競馬全体の問題になりかねない」と懸念する。

スケート場管理費想定大きく上回る
 競馬と同じく物議を醸してきた屋内スケート場。五輪効果で批判は影を潜めているが、維持管理費は約2億円、一般財源支出は1億5000万円弱となり、砂川市長が説明してきた「旧リンク並みの負担」を大きく上回った。

 スケート場問題を取り上げてきた市原秀朗市議(民主・市民連合)は「心配していた状態になっている」とし、3月議会でも砂川市長の責任を追及する構えだ。

 長年の課題である経済振興に、競馬、屋内スケート場の財源問題。現市政が「継続」という形で次に引き継ぐ項目は、新しいリーダーの下でも大きな命題となるのは間違いない。
(中津川甫)

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