特集
【サンデートーク】 山口 聰史さん
3月で閉校する浦幌高校の校長
山口 聰史さん(56)
地域に感謝し、感謝され、感動体験
浦幌高校(生徒14人)が3月1日の卒業式で59年の歴史を閉じる。今月13日に行われた閉校記念式典・惜別の会には、全国から卒業生ら約400人が駆けつけ、別れを惜しんだ。募集停止となった2008年度以降、「思い出プロジェクト」などを通じ、地域と協力しながらフィナーレへと歩んできた同校の取り組みと、地元高校を失う子供たちへの思いなどを、最後の校長・山口さんに聞いた。
(文、写真・大笹健郎)

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心一つを目指した
−募集停止と同時に赴任。どんな思いで学校運営を。
生徒に寂しい思いをさせず、閉校するからといって不利になることのないよう、質の高い教育を提供することに留意しました。生徒は1年目は他との交流などを展開。2年目はトーンチャイム演奏に取り組み、地道に継続する活動で心を一つにすることを目指しました。1人が欠けたら成立しない演奏に取り組むことで、責任感と積極性が芽生えたと思います。
−地域との関係では。
高校振興会、閉校記念事業協賛会が物心両面で協力してくれました。特にうれしかったのは、昨年7月の最後の学校祭で、生徒の声に応えてOBや上浦幌地区の皆さんが協力してくれたこと。上浦幌地区の提燈(ちょうちん)は上浦幌小をかたどったものでしたが、児童が学校間交流で遊んでもらったお礼に「浦高ありがとう」という文字が書かれていました。この2年、常に感謝をする立場だった生徒たちは、感謝されてとても感動していました。
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違い認め合う関係を
−心残りは。
閉校記念式典後の惜別の会で、来賓が「これまで高校生の面倒は浦幌高にみてもらっていたが、今後はわれわれ自身がみなければいけない」と話された時に、自分が大きな失敗をしていたことに気付きました。
現在、他校に通う高校1、2年生の中には、浦幌高に来たかった生徒もいます。公開授業や学校祭に彼らに参加してもらうなどし、町内の高校生みんなが集まれる機能を浦幌高が果たせば、来年度以降、高校生全体を支援するのに役立てたと思います。
−地元の高校生世代にメッセージを。
高校生は自分と他人を比べて「自分は普通ではない」と苦しむことがありますが、みんな「普通でない」のであり、それが個性。一人ひとりが違うことを認め合い、人と人との関係をつくっていってほしい。
やまぐち・さとし
1953年、札幌市生まれ。金沢大卒。佐呂間高が初任校。2002年に夕張緑丘実業高で教頭に。同校の閉校に立ち会う。釧路東高教頭を経て08年4月から現職。小規模校が好きで、離島に赴任する夢を持っていたという。趣味は茶道と、尺八などの邦楽。



