特集
【先生が見たエジプトの今−JICA教師海外研修から−】(4)
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| 現地の子供たちとの交流 |

ベニスエフで子供たちと楽しく交流する海外研修の先生ら
実験や折り紙の手裏剣作り夢中
「これから日本のサイエンスショーを披露します」
札内中教諭の多田明寿さん(37)が高らかに宣言した。50人ほどの子供たちを前に披露したのが、段ボールで圧縮した空気を飛ばす「空気砲」の実験。2メートル先のろうそくの火を空気で消してみせると、歓声が沸き起こった。
カイロから南に約130キロ、ベニスエフの施設。現地のNGOの橋渡しで近隣村落の子供たちと、研修団の交流が実現した。「ヤーバーニー(日本人)が来る」−。着飾った大勢の子供たちが集まった。
日本から来た教師たちは教え子が彫った木版画、家族の写真、画用紙などを持参して、子供たちと交流。ベニスエフの子供たちからは、歌や手作り劇の歓迎を受けた。
帯広農業高校教諭の鶴巻純一さん(45)と一緒に、折り紙の手裏剣を完成させたモハマド君(13)は「色がすごくきれい。日本人と遊べて楽しい」と笑顔を見せた。
一行はエジプト各地の学校や保育所、ストリートチルドレンの保護施設などを視察。けん玉を取り合ったり、先生の目を盗んでは“宿題”の絵を訪問団に描かせようとしたり、やんちゃな子供たちの姿を間近でみた。
岩見沢市立第二小教諭の中澤孝仁さん(38)は「何かをしたい、何かを得たいという子供たちの気持ちや夢中になる笑顔は日本と同じだった」と語った。
一緒に「遊ぶ」取り組み広がる
一行はエジプトの教師とも意見交換。現地の青年海外協力隊員(JOCV)によると、エジプトの学校は「勉強だけを教えるところ」という認識があり、教師が子供と一緒に遊ぶことは少ない。ホームルームやクラブ活動の無い学校も多いことも知った。公務員の副職は禁止されているが、給与の低さから家庭教師や塾講師を兼ねる教師もおり、問題になっているという。
このような状況の下、イスマイリアでは、JOCVが現地の教師向けに幼児教育のセミナーを企画。一行が視察したときは、日本で研修した役場職員を講師に絵本の読み聞かせを学んだり、紙工作を体験したりする参加者の様子を視察した。
また、JOCVの岩崎万里さん(25)は「子供と一緒に遊べば先生自身にも得るものはある。自主的に取り組むような状態になれば理想的」と、期待を込めて話していた。農村地域のファイユームでは教育環境や、子供への接し方、子供たちの生活環境などについて、教員同士が意見交換していた。
日本と比べて、少し“距離”があるように見えた先生と子供たちの関係。日本から来た協力隊員たちは、教育面の改善にも一役買っていた。
「ロンドン橋落ちた」を歌いながら、子供と一緒になって遊ぶエジプトの教師たち。その様子を見て、「エジプトならではの遊びが生まれるのもそう遠くないかも」と感じた。(おわり、犬飼裕一)
※岩崎万里さんの崎の字は異体字です。
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エジプトの教育事情
学校制度は日本と同じ6・3・3・4制で6〜15歳(小学1年〜中学3年)が義務教育。就学率は小・中・高それぞれ95%、88%、69%。大学進学率は38%(2005年調査)。公立学校の教育は基本的に無料。教育への関心は高く、多くの家庭が家庭教師をつけたり、塾で学ばせている。





