特集
【先生が見たエジプトの今−JICA教師海外研修から−】(3)
〓◇〓◇〓◇〓◇〓◇〓◇〓◇〓◇〓◇〓◇〓◇〓◇〓◇〓◇〓◇〓◇〓◇〓◇〓◇〓
| 青年海外協力隊 |

エジプト各地で展開している「マディーナ」の公演(サンマルコカレッジ)
本来の活動とボランティア両立
道化役の男性にからかわれて怒る女性の寸劇、折り畳んだ新聞紙から水が流れる手品、手作りの人形劇。子供たちの目前で、にぎやかな出し物が繰り広げられた。
「マディーナ」のメンバーで、青年海外協力隊(JOCV)の内山由美子さん(30)が子供たちに呼び掛けると、室内は「アナ、アナ!(僕も参加したい!)」の大合唱に包まれた。
「娯楽が少なく、教育も受けられない子供たちを楽しませよう」と、マディーナは2007年にデビューした。メンバーはJOCV、シニア海外ボランティア(SV)、日本人留学生の有志約20人。月1−2回、エジプト各地から集まり、ボランティアで公演を展開している。
本来の活動とボランティアの両立は大変だが、内山さんは「いろんな地域の子供たちと触れ合い、息抜きにもなっている」。内山さん自身、楽しみながら参加している様子が伝わった。
活動分野幅広く女性隊員数多い
研修団が視察したのは、カイロから北西に約200キロ、アレクサンドリアのサンマルコカレッジで開かれた公演。「子供は未来の宝」と題し、人形劇などを披露した。石狩市立浜益小教諭の新谷浩一さん(48)は「練習は大変だと思うが、継続して公演するのはすごい」と感動した。
公演を終え、メンバーの中山義教さん(23)に話を聞いた。「子供たちの刺激に−と思って活動しているが、地元の新聞に取り上げられ知名度も上がった。エジプト人が『おれたちも同じことをやってみよう』と腰を上げてくれるのが夢であり、目標」と語ってくれた。
JICAによると、現在、エジプトで活動しているJOCVは25人(うち女性22人)、SVは14人(同4人)。活動分野は幼児教育、日本語教育、障害者支援、ストリートチルドレン支援などさまざまで、女性隊員が多いのも特徴だ。
研修期間中、参加者は多くのJOCVの活動の一端を垣間見た。イスマイリア地区では、子供と楽しめる遊びを保育園の先生に伝えようと、鶴田典子さんらのグループが活動していた。ブラーク地区で青少年活動を行っている小林世志子さんは、貧困地域の子供たちと一緒に絵を描いたり、レクリエーションを展開していた。
海外に渡り、住民と交流しながら生活レベルの国際貢献に励む彼らの姿は、研修団の胸に響いた。和寒中教諭の今村恭子さん(28)は「一生懸命頑張っている隊員の活躍を誇らしく思う」と語った。
芽室西小教諭の尾島未央さん(27)は「『インシュアラー』(神のおぼしめし)の世界で大変だと思うが、遠いエジプトで活躍している日本人がたくさんいることを芽室の子供たちに伝えたい」と述べている。(犬飼裕一)
------------------------------
青年海外協力隊
開発途上国支援として、技術や知識を生かした国際協力を志す若者をJICAが支援する事業。日本国籍を持つ20〜39歳の男女が対象。派遣期間は原則2年間。シニア海外ボランティアの対象は40〜69歳の男女。





