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【衝撃1・15 石川議員逮捕】(下)

2010年01月18日 15時26分

市長選 揺らぐ構図
「米澤氏」で保革駆け引き


 「市政奪還どころではない」

 石川知裕衆院議員の逮捕に民主党サイドから悲鳴が上がった。帯広市長選の推薦候補の決定が大詰めを迎えているが、選挙戦への打撃は計り知れない。「これからどうなるか見当もつかない」−。石川後援会の関係者は不安を隠さない。

 石川議員は昨年衆院選で、市内では5万2890票を獲得した。民主党十勝はこの勢いをバネに、自民に先手を打つ形で市長候補の選考を進めてきた。昨年末、「200%確実」とした弁護士の擁立は実現しなかったが、間髪入れずに帯広出身の東京の会社役員、米澤則寿氏(53)の名前が浮上した。

推薦秒読み…
 中央の経済界で活躍する米澤氏に対しては、石川議員が「よい候補」と興味を示していた人物。前回市長選でも民主党支部が擁立を探った経緯があり、「地元在住者」にこだわっていた幹部も素早く石川議員の意をくみ方針転換した。関係者は「スピード決着」の背景について、「市長選で石川さんの政治基盤を強化する」と強調した。

 特定党派に偏らない「市民党」を掲げる米澤氏も民主党の接近を拒まず、連携作業は着々と進展。石川議員は7日の党支部会合で米澤氏の名を挙げて「候補選定作業を進める」と宣言、直後に市議団も米澤氏と接触するなど「推薦決定」は秒読みに入った。

 その矢先の東京地検特捜部の強制捜査。これを境に雲行きが急速に怪しくなった。

 同党帯広の三津丈夫代表は強制捜査後も「市長選に影響はない」と強気を通すが、陣営内には「米澤氏に関係を断られれば仕方がない」との声も漏れる。もともと革新勢力とは縁遠く、民主サイドとの連携に慎重だった米澤氏の周辺からも事件を契機に「民主とは距離を置く」との意見が上がった。

勇退する砂川敏文市長=右=と談笑する石川知裕議員は、市長選の候補選定でも中心で行動していた(7日、市内で開かれた民主党十勝・帯広の新年旗開き)

「風変わった」
 自民党帯広支部は20日まで勇退する砂川敏文氏の後継候補を公募中。石川議員の逮捕後も目立った動きはないが、陣営は「風向きは完全に変わった」と勢い付く。同支部の小野寺秀幹事長は「石川議員の件とわれわれの市長候補選びは関係ない」とし、公募期限を待って速やかに候補選定に入る構えだ。

 問題は中川昭一氏の死去に伴い核になる人材(衆院候補)が空席のままで、運動展開に不安要素を残していることだ。現時点で出馬に向けて具体的な活動を展開しているのは、公募でも他薦で挙がっている上野敏郎市議会議長(62)のみ。ある関係者は「公募をしたはよいが、極めて限られた中で人選が行われるのでは」と漏らす。

 ここに来て保守内の一部は「民主だけで米澤さんを囲い込むことはできない」とし、米澤氏を軸に相乗り図式の再構築を模索する。公募に反するこのような動きに、自民党支部の幹部は神経をとがらせる。

 「十勝の盟主が逮捕されたのだから影響はさまざまな分野に及ぶだろう」−。石川議員が早期辞職した場合、4月25日に衆院補選があり、実質的に市長選(4月18日)とのダブル選挙になる。

 「政情不安」は地元政経界にどんな余波をもたらすのか、政治関係者はその行方を注視している。(岩城由彦)

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