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【22−2121 この1年】(4)石川知裕衆院議員当選
2009年12月23日 15時49分

政治の潮目、激変に驚く

衆院選の投開票が行われた8月30日の夜。帯広市内の民主党道第11区総支部の選対事務所は熱気に包まれた。石川知裕さんが勝利宣言すると大きな拍手が沸き起こった。
本当に「中川王国」に勝利するとは…。急ぎ会社に戻って勝利候補の様子を記事化、号外の紙面を見届け帰宅すると、午前4時を回っていた。記者として冷静を装っていたが、歴史的瞬間に立ち会い、石川さんとのやりとりを覚えていないことに気づいた。
■カツカレーを…
睡眠もそこそこに午前6時半、当選から一夜明けた石川さんの事務所に。石川さんは背広姿で、疲れもあるだろうにシャキシャキとした受け答え。前夜の興奮が続いているのかと感じた。
「腹がすいててね」。聞けば自宅に戻って就寝前に、カツカレーとビールの大瓶を平らげたという。そのまま午前7時すぎには十勝大橋のたもとでつじ立ちを行っていた。1日ぐらいは勝利の余韻に浸りたいだろうに。道行くドライバーに手を振る姿に、中川昭一さん(故人)に勝利した原動力を垣間見た。
「政治家に求められる資質は謙虚さ。このスタイルは変えない」と石川さんは語る。衆院選では「巨大戦艦に立ち向かう小舟のようなもの」と、中川さんに挑む心情を例えていた。だから2008年10月、選対事務所を開いた当初は正直、石川さんが勝つとは想像していなかった。

3万票以上の差を付けて圧勝した石川知裕氏。「選手交代」で十勝の政治史は一つの転換点を迎えた(8月30日)
しかし政治の世界は分からない。中川さんが2月にローマで失態会見を演じ、これを境に情勢、風向きが大きく変わった。石川さんは3月、民主党の小沢一郎代表(当時)の資金管理団体が絡む西松建設の違法献金事件で東京地検から参考人聴取されたが、それでも優勢の流れは変わらなかった。
「中川氏の落選も想定するように」。社内での選挙会議で、同僚記者とともに「そんなに石川さんが有利なのか…」と感じ取った。全国的には政権交代のムードが日に日に高まっていた。十勝でも地殻変動が起こるのか?−。勝毎も含め各社の世論調査から、石川さんの勝利が現実味を帯びていったのだった。
当落の判定は想像以上に早く、あっけないものだった。テレビ各社の開票速報では午後8時すぎ、続々と「石川氏当確」の報が流れる。結果は中川さんに3万票以上もの差を付ける圧勝。中川さんも9万票近くは集票した。過去の選挙戦ではあり得なかった大きなうねりが、民主を後押ししたのは間違いない。
■今後が気がかり
あれから3カ月。石川さんの周辺は、小沢氏の団体の土地購入にかかわる事情聴取の動き、自身の政治資金収支報告書をめぐる虚偽記載の疑惑も明るみになり、今後の動向が気がかりだ。
衆院選で勝利したときの熱気は何だったのだろう。政治の潮目の急激な変わりようには驚く。政治記者2年目の私にとっては大きな財産になった。
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