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【1票に願う 〜生活者の視点〜】(4)シングルマザー

2009年08月22日 15時14分

恐れる格差の連鎖

託児所で無邪気に遊ぶ子供たち。子の将来に格差が生まれないような政策が求められる(塩原真撮影。写真と本文は関係ありません)

貧富の格差が教育の格差に
 「母子家庭では子供に満足のいく教育を受けさせられない。貧富の差が教育の格差となり、さらにそれが貧富の差を生み出すのが怖い」。とかちひとり親サポートセンター理事長の松村明子さん(37)は格差の連鎖を恐れる。

 今選挙で各政党は、子育てや学費の援助を増額するマニフェストを示しているが、子供の年齢や親の収入によって受けられる恩恵は異なる。不況下で公的援助に頼らざるを得ないシングルマザーにとって、将来を考える上でひときわ重要な選挙となっている。

 松村さんは10年前に離婚し、中3と小6の子を育てている。子供が小さいころは昼間の仕事の収入だけでは足りず、子供を夜間保育所に預けて働いたことも。「あのころはつらかったけれど必死だった。若かったからできたんだと思う」と振り返る。

 就学援助や児童扶養手当などの公的援助を受けているが、「塾や習い事に部活。中学生にもなればおしゃれもしたがる。母子家庭だからといって子供に我慢を強いるのはつらく、成長に合わせて出費が増える」と嘆く。

仕送りは無理…大学時に援助を
 中1の子を1人で育てている管内の母親(34)も「子供が小さいうちは援助制度を利用して何とかやっていけた。『せめて大学まで』と思うが、仕送りはとても無理。むしろそのころに手厚くしてほしい」と不満を募らせる。

 8年前に託児所「百の樹」を立ち上げた青木枝美子さん(56)は数々の母子家庭を見てきた。「金銭、育児の面で援助してくれる親が近くにいるか、一定額の養育費をもらっているか、正規雇用としての収入があるかなど、事情はさまざま」と説明。「最近は幼児のいるシングルマザーは企業から敬遠されがち。いい仕事に就くのは難しい。パート収入では働いた分しかもらえず、子供が風邪を引いただけでも大変。企業の理解も必要」と訴える。

 青木さんも女手一つで2人の子を育てた。「『子供が熱を出したが仕事を休んだらクビになる』と言われれば、預かるしかない。ほかの託児施設より規制を緩めて対応している」という。

 多くの国民が将来に不安を抱える中、深刻な状況にある母子家庭。シングルマザーの悲痛な叫びが1票となって投じられる。
(おわり、成田融)

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