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【衆院選・十勝の争点】(下)分権・財政

2009年08月08日 14時48分

気がかりは交付税の行方
 「地方分権と並行し、税財源の調整機能をどのような形で残すのか地方にとっては重要だ」

 帯広市の幹部は東京や札幌などに集中する国内の現状から「地方分権は推進されるべき」とする半面、自治体財政への影響も懸念する。帯広の場合、歳入に占める地方税収入は約3割。約4割は国などからの依存財源だ。

 少子高齢化を受けて社会保障費は年々伸びており、逆に「自由に使える金は減っている」(財政課)。財政硬直化が進む基礎自治体への「手当て」は、大きな論点だ。

 関心事は市町村が自由に使途を決められる「地方交付税」の見通し。小泉政権下の三位一体改革で地方交付税は削減され、各自治体はこぞって行革に取り組んだ。

 ここ数年は構造改革への反動から緩やかな増加に転じ、普通交付税の今年度交付額は、十勝管内総額で693億6120万円。ただ臨時財政対策債(=臨財債、交付税の不足分を補う借金)の発行可能額を合わせても約765億円で、1999年度(916億円)のピーク時の83%にとどまる。


40%を超える財源「確保を」
 地方税収入が歳入の1割前後しかない多くの町村にとって交付税は大きなよりどころだ。広尾町は膨らむ社会保障費を例に、「各党とも社会保障を充実させるというが財源のパイは決まっている。そのしわ寄せは(交付税に)来るのでは」(総務課)と漏らす。

 一般会計歳入の4割を交付税に頼る本別町は、「大都市に人口が集中し、町村は過疎化する構造。分権が進んでも交付税に見合う財源を確保されなければ困る」(総務課)と語る。

 衆院選では各党がマニフェスト(政権公約)で、地方への権限移譲とともに、補助金、交付税、税配分をめぐる違いを打ち出した。自民は今年度中に地方財源の充実を確保するため、補助金・交付金・税源配分を見直す「新地方分権一括法案」の成立を約束。19年までに歳出・歳入改革や経済成長による税収増で、国と地方のプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字化するとしている。

 民主は「地域集権国家」への転換を強調、国が使途を決める「ひもつき補助金」(社会保障・義務教育関係は除く)を廃止し、地方が自由に使える「一括交付金」にするという。行政刷新会議(仮称)を立ち上げ事務事業を整理、市町村が対応可能な事務権限と財源を移譲するとした。

 共産は自民、民主の地方分権を国の地方支出を削減するものと批判。道州制導入にも反対している。

望ましい形「まだ不明確」
 衆院選をめぐっては全国知事会が道州制論議を活発化させているが、清水町の高薄渡町長は「現段階では国と都道府県との間の話ばかり。望ましい分権の形がまだ不明確」と指摘。高橋正夫十勝町村会長(本別町長)も「地方分権には財源保証が不可欠。国はそれぞれの地域性を理解し、実情に合わせて講ずるべき」と注文する。

 地方分権の陰でくすぶる財政問題への不安。管内市町村は持続的な自治体運営のビジョンを描ける制度の確立を渇望している。
(衆院選取材班)

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