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【衆院選・十勝の争点】(中)景気・雇用

2009年08月07日 14時40分

ピーク時と比べて3分の1近くまで減少した管内の公共事業。建設業界の停滞と連動し、地域の景気・雇用は冷え込んでいる

地域経済つなぐ公共事業
 「まだ北海道は未熟でやらなければならないことがたくさんある。地方の声を中央に訴えてほしい」

 5日、帯広市内で開かれた「これからの十勝の建設業を考える会」。帯広建設業協会の萩原一利会長が出席した自民党の中川昭一氏に、こう訴えた。

ピーク時の3分の1まで
 農業とともに地域経済を支えてきた建設業は公共事業の削減で厳しい状況にある。許可業者数は横ばいだが、「公共工事前払金保証請負金額」はピーク時の3分の1近くまで減少した。「公共工事は悪−という風潮は退治しなくては」と中川氏は応じた。

 十勝の景気・雇用の冷え込みは、すそ野の広い建設業の地盤沈下が大きな要因。市内の業者は「十勝の建設業者は9割が赤字。蓄えを食いつぶしながらやっている」と漏らす。構造改革路線の中で疲弊した「業界」は、政権選択選挙を複雑な思いでみつめる。

 各党のマニフェスト(政権公約)には「むだな予算の見直し」などの文字が並ぶ。民主党は具体的な財源対策の1つに公共事業費の「1・3兆円節約」を打ち出した。同党の石川知裕氏は「環境など新たな分野への投資が必要」と、公共投資の質的な転換を説く。

 十勝にとって気になるのは社会基盤整備の停滞。特に高速道路網の整備は、道東自動車道の札幌延伸のめどはついているが、分岐して広尾に向かう帯広・広尾自動車道の大樹以南は不透明。建設業界は「無駄な工事は当然止めるべきだが必要な工事はある」と主張する。ここに来て道開発局の解体論が急浮上。業界内には「死活問題」との危機感が強い。

 建設業の停滞と連動するかのように、地元中小企業は全体で厳しい状況が続く。民間調査機関の帝国データバンク帯広支店によると、今年上半期の管内倒産件数、負債総額はともに前年比増。

 別所文貴支店長は「倒産件数は中小・零細企業を支援する『全国緊急保証制度』の効果から極端には増えていない。ただ、返済が始まる9〜10月には挽回(ばんかい)できないところも出てくるのでは」と分析する。

一部で改善も回復感は弱い
 与党が矢継ぎ早に打った「エコポイント」「環境対応車対象の減税」は、一部業種に改善効果をもたらしたが、総体的には景気回復感は弱いのも実態。帯広市中心部の再生も一進一退で、中心市街地の活性化に関わる経済人は「地域だけではもはや地方の問題を解決できない。地方を守るのも国の仕事」と指摘する。

 各党は「緊急信用保証などで中小企業の経営支援を強力に進める」(自民)、「中小企業の法人税率を11%に引き下げる」(民主)、「中小企業憲章の制定」(共産)などを公約に掲げる。しかし、地方の企業には具体的なビジョンが見えにくい。

 道中小企業家同友会帯広支部の曽根一支部長は中小企業の性格として、大手企業の下請けが多い本州と、自主自立型が多い道内の違いを指摘。「公共投資は3分の1となり民間建築も減少(地域の経済は)大苦戦している。国には『企業を育てる』という視点を強く持ってほしい」と話している。
(衆院選取材班)

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