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特集

【年間キャンペーン とかち農立主義】 動きだした農商工連携− 7

2009年08月05日 15時02分

十勝の体制整備
異分野、活性化へ本腰
潜在力発揮に支援機関

 「農商工連携の関心が高く、会員の農業者や企業経営者が研究グループを立ち上げた。十勝の農業には新商品や新サービスを生む潜在力があると考えるからだ」。道中小企業家同友会帯広支部の石戸谷和政事務局長は期待する。

講座で人材育成
 同友会は今年度、農商工連携で全国中小企業団体中央会から採択を受けた人材育成事業を展開する。石戸谷事務局長は「意見交換では商工業者から、連携についていろいろなアイデアが出る。農業者は生産以外の手間におっくうがるが、意欲的な農家もおり、けん引役を育てたい」と説明。外部講師を招き来年2月まで講座を展開する。

 昨年7月の農商工等連携促進法施行を機に、事業者に対する支援事業や体制が十勝で整いつつある。国段階は農水省と経産省が共同担当。実務を担う中小企業基盤整備機構道支部(札幌・中小機構)が、マーケティングの専門家を十勝に配置した。事業者が国の認定を受け補助事業(3分の2以内)を導入できるよう、計画から実行まできめ細かく対応する「ハンズオン支援」が売りだ。

 ホエー豚の加工品を開発したマノス(帯広)など管内で2件が国から認定。中小機構で十勝担当プロジェクトマネジャー坪井真一さんは「提携先の百貨店など販路まで紹介する充実した支援内容。最近は1カ月の相談数が5、6件と増えている」と説明する。

 しかし「認定のハードルも高く、連携事業は急速に増えない」との見方もある。新事業の売上高が5年で5%以上増加など諸条件がある。坪井さんは「農業、商工業双方の経営改善につながる関係が必要。いまの経済情勢では、たんに手元の農産物を加工し商品化しただけでは売れない。市場ニーズに合っているか事業性の視点が欠かせない」と指摘する。

 それでも「輸入農産物と競合が厳しくなる中、十勝農業が原料供給基地にとどまらない発展を遂げるには、認定を前提としなくても新事業で利益を挙げる工夫が必要」(石戸谷局長)と危機感を抱く関係者は少なくない。

 経産省の企業支援策「地域力連携拠点事業」で、道内20カ所の拠点に指定された帯広信用金庫と帯広商工会議所も支援。帯信は「金融以外の技術的なことでも、ネットワークを通じお手伝いしたい」と強調する。帯商は先端技術を研修する「新発見ツアー」や、企業技術の紹介で農業者と結び付ける「マッチング」など事業展開していく。

 同じ連携拠点でもある道中小企業総合支援センター道東支所(西22北2)の浜田敏道東支所長は「満寿屋商店の半焼成パンも市の取り組みが実現に貢献している。住民と密接な市町村を含む支援体制構築が今後重要」と指摘する。

両トップが協議会
 昨年秋、農林水産業界と経済界のトップでつくる「とかち産業団体協議会」(会長・高橋勝坦帯商会頭)が発足した。事務局の河合文宏帯商産業振興部長は「農業界と経済界が同じテーブルに着くのは非常に大きな前進。閉そく感が漂う地域経済活性化に向け異分野の連携を考えたい」と強調。国内有数の十勝農業が持つ潜在力を具現化できるか支援機関の真価も試される。
(おわり・児玉匡史)

※高橋勝坦帯商会頭の高の字は異体字です。

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