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特集

【年間キャンペーン とかち農立主義】 動きだした農商工連携− 6

2009年08月03日 15時13分

カメラやデータ送信機器などを積んだラジコンヘリ

ズコーシャ・農業とITの融合
“経験”補完し精密判断
情報活用でコスト削減

 「客観的な農業情報を得るためのセンサーや機械類は間違いなく進歩する。農機の開発もその情報利用がテーマになっている」。総合コンサルタント・ズコーシャ(帯広、関本裕至社長)の星山賢一常務(54)は説明する。農家の経験と勘によらないデータに基づいた精密農業が、これからの環境保全型農業の実践やコスト低減に大きな役割を果たすと確信している。

衛星画像で生育解析
 そこで取り組んだのが衛星画像を利用した農業とIT(情報技術)の融合。2002年から道農業研究センター、道立農業試験場、JAめむろと共同で衛星リモートセンシング(遠隔操作)による小麦適期収穫システムの開発に着手した。衛星画像の解析で生育の早晩を10段階に分け、収穫適期の畑を的確に察知できる仕組みだ。

 威力を発揮したのは、同JAの全町集中型小麦乾燥施設。従来は水分調査と“経験”に基づき刈り取り時期を判断したが、施設の効率稼働には受け入れる小麦の水分均一化や効率的な収穫体制が欠かせない。生育早晩マップという同一基準導入で課題解決を図った。

 星山常務は「今年のように収穫の判断が難しい時ほどマップが役立つ」と自信をみせる。現在はJA帯広かわにしやJA中札内村でも導入している。

ラジコンヘリで撮影
 近年、同社が力を入れるのはラジコンヘリで撮影した画像による土壌養分の解析と、そのデータに基づき施肥量を10メートル単位で調整する「可変施肥システム」の商品化だ。農商工連携が叫ばれる以前の06年度から、経産、総務、農水3省が共管する「新連携事業」に採択されている。

 気象条件に左右される衛星利用に比べ機動性に富むラジコンヘリ。30ヘクタールをわずか30分から1時間で撮影可能だ。同社の試験農場「テクノファーム」(帯広市八千代町)での試験結果では、可変施肥で窒素投入量をジャガイモで慣行比約3割、ビートで同3〜6割もの削減を実証。肥料価格高騰下でのコスト削減や減肥による環境負荷低減に確かな手応えをつかむ。

 同社では地理情報システム(GIS)に気象データや作付け・生産履歴、病害虫発生予察情報などあらゆるデータを載せ、個々の農家に応じた営農情報を提供するシステム構築を目指す。

 ただ、十勝JAパソコンクラブ連絡協議会の大槻清隆会長(53)=鹿追町=は「農村では通信環境整備が遅れており、せっかくのサービスも利用できない地帯が多い」との課題を指摘。同協議会は昨年、帯広市と十勝町村会に農村部の高速インターネットサービスの早期実現を求める要請書を提出した。

 「『いい技術や情報でも、お金を出してまで…』と二の足を踏む農家も多い」と星山常務。JAや普及センターからの営農情報は豊富で基本的には無料。農業での情報ビジネス確立に難しい課題を抱えつつ、生産性向上を図る異分野の連携が動きだしている。
(高田敦史)

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