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「絵画と写真の交差 印象派誕生の軌跡」対談◆上
2009年02月19日 16時33分
道立帯広美術館で開催中の十勝毎日新聞創刊90周年記念事業「絵画と写真の交差 印象派誕生の軌跡」展の見どころや感想について、帯広在住の美術家瀧川秀敏さんと写真家戸張良彦さんが対談した。
画家に衝撃与えた写真の誕生
戸張氏 歴史ひもとく貴重な写真に驚き
瀧川氏 絵画の世界変わった瞬間感じる

1800年代の写真と絵画の密接なかかわりについて語る瀧川さん(右)と戸張さん

そしてナダールの「ヴィクトル・ユゴーの肖像」やアルフレッドの「冬の五番街」、マンレイの「アングルのバイオリン」など、写真の歴史を語る上では避けて通れない有名な作品がしっかりとそろっていること。絵画の世界に例えるなら、ダビンチやミケランジェロに匹敵する有名な作家、作品で、まさか帯広美術館で見ることができるとは思っていなかった。美術館の展示はほとんど見に来ているが、2回見たのは今回が初めてだし、写真は展示替えがあると聞いたのであともう1回はここに来ると思う。
瀧川 僕も実は誤解していた。展覧会のタイトルに「印象派」とあるので、後期印象派をイメージしていた。「写真と同じ絵を描いてももう無理だ」と、写実から一歩抜け出したゴッホやセザンヌなどの時代の絵画が中心と思っていた。展覧会を見て「交差」の意味が分かった。当時、誕生した写真と同時代の画家たちが、いかに強い影響や刺激を受けていたことがうかがえる、興味深い展覧会だ。
戸張 一般の人には大きく迫力ある絵画に挟まれ、変色した小さな古い写真としか思わない人もいるかもしれないが、写真が誕生して170年の歴史をひもとく上で、必ず出てくる作品。それぐらい貴重で見応えのある写真が展示されている。
瀧川 たとえ小さな作品でも、当時の写真の誕生が、いかに画家たちに衝撃的であったということを肌で感じることができる。それまでは一瞬をとらえた画像はなかったので、視覚そのものを写真は変えた。貴族などに肖像画を依頼され、生計を立てていた画家たちにとって、肖像写真は死活問題だったに違いない。絵画の世界が写真の誕生により大きく塗り替えられた歴史の瞬間を見ることができる、意義深い展覧会だ。
瀧川秀敏 1952年、上士幌出身。武蔵野美術大学卒。86年に寺島春雄賞受賞、89年平原社会員、99年から同会長。北川学園美術工芸学院理事長、帯広美術研究所代表。
戸張良彦 1955年、東京都出身。日本大学芸術学部写真学科卒。79年に帯広に移住し、82年に戸張写真事務所開設、96年からスタジオバロス代表。日本写真家協会会員。
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