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【絵画と写真の交差 印象派誕生の軌跡】 作品紹介(4)

2009年02月06日 15時29分

「草原の羊飼いの少女と羊の群れ」ジャン=フェルディナン・シェニョー
自然の景色に向けた熱い眼差し

「草原の羊飼いの少女と羊の群れ」 ジャン=フェルディナン・シェニョー 1863年 油彩、カンヴァス 道立帯広美術館蔵

 パリの南東およそ60キロ、広大なフォンテーヌブローの森に寄り添うようにバルビゾンという村があります。19世紀の中ごろ、ここに画家たちが集いました。コロー、ミレーら、今日バルビゾン派と呼ばれる人々です。

 19世紀フランスの風景画の主流は、現実の世界から切り取った建物や山並み、木々や岩の姿を組み合わせて、画面上で理想の風景を再構成するというものでした。それに対してバルビゾンの画家たちは、自然の風景や田園の生活を、自らが受けた感動とともにありのままに描き残そうとします。一方バルビゾンには、活動間もない写真家たちも集まってきました。彼らもまた自然の景色にカメラを向け、森や村の景観を撮影していきました。

 ともに自然に熱い眼差しを向けた画家と写真家たちは、バルビゾンの地で深い交友を結びました。写真をもとに画家たちが絵を描くということも、盛んに行われたようです。

 こちらはバルビゾンの北に広がるシャイイの平原を描いたシェニョーの作品。やせた羊たちは、毛刈りを終えた姿であるため。また画面の中ほどに広がる麦の連なりは、刈り入れを待つばかりに豊かに実っています。羊の毛刈りも麦の収穫も夏のはじめの風物詩。そんな1日の夕暮れ時、群れを連れ帰る羊飼いの少女の姿が、印象的に描かれています。

 同じ時代に撮影された写真と比べると一層、この地の空気が伝わってきます。
(道立帯広美術館学芸課長 鎌田享)

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