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特集

【絵画と写真の交差 印象派誕生の軌跡】 作品紹介(2)

2009年02月04日 15時56分

「雪中の狩人」 ピーテル・ブリューゲル
冬の景観を遠近法で迫真的に

「雪中の狩人」 ピーテル・ブリューゲル(子) 17世紀 油彩、板 東京富士美術館蔵

 私たちの日常にすっかり溶け込んでいる写真が誕生したのは、約170年前、19世紀前半のことです。そのリアルな画像が人々の目に触れる以前、ものの姿や出来事のありさまを伝え残すには、絵に描くしかありませんでした。

 こちらは写真発明に先立つ17世紀に描かれた作品。現在ウィーン美術史美術館に収蔵されているピーテル・ブリューゲルのものを、同名の息子が模写した油彩画です。父の作品は縦横1メートルを超えますが、こちらは意外なほどに小ぶりな作品。しかし冬の景観が、細やかに描かれています。

 画面の手前には雪道をかき分けて進む猟師と犬の群れ。家路を急ぐところでしょうか、肩に担いだ長い棒には今日の獲物がくくりつけられています。その奥、丘の下には家々が立ち並び、氷の張りつめた池では、人々がスケートなどの遊びに興じています。そしてはるか遠くには、雪におおわれた険しい山々がけぶるように描かれています。

 手前のものを大きくはっきりと、遠くのものは小さくぼやかして描けば、奥行き感や立体感を表現することができる。子どものころに習ったそんな遠近法の画法は、長い年月をかけてヨーロッパで発明され整理されてきました。眼に映る像を、より迫真的により臨場感をもって再現するために、画家たちは工夫を重ねてきたのです。
(道立帯広美術館学芸課長 鎌田享)

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