特集
【ハイライト 2008】≪農 業≫
2008年12月28日 15時05分
≪農 業≫
今年の十勝農業は天候に恵まれ、畑作物の収量は豊作基調が続く平年と同じ水準を確保。昨年来続く資材価格高騰の影響は色濃く残るが、WTO(世界貿易機関)交渉などを契機に食料自給や農業の在り方への議論も高まり、食料供給基地・十勝には近年にない「追い風」が吹き始めた1年でもあった。(高田敦史)
チーズ生産を開始
◆明治乳業 十勝工場
アジア最大級のナチュラルチーズ工場「明治乳業十勝工場」(芽室町東芽室)が2月に完成、3月から操業を開始した。
低迷する飲用乳消費の打開策として、農畜産物の中では輸入品との価格競争力が高いナチュラルチーズの生産を伸ばすことで、日本酪農の体質強化に期待が集まる。

資材高騰の窮状を訴えたデモ行進(8月18日、帯広市内で)
◆深刻な資材高騰
昨年来続く配合飼料価格の高騰に加え、ホクレンの21肥料年度の価格も、化学肥料主要15品目の加重平均で前年度比75.7%の値上げに。原油高騰による燃料価格、石油系資材も値上がりが続き、農業団体は8月、帯広競馬場で3000人規模の緊急集会を開催。帯広市内をデモ行進し窮状を訴えた。
◆乳価の期中改定
経営難受け異例の措置
1月、2008年度の用途別原料乳価が30年振りに大幅値上げに。それでもコスト増による経営圧迫はぬぐえず、11月、ホクレンは乳業各社との交渉の末、異例の期中改定を発表した。一方、小麦でも異例といえる入札の基準価格の見直しが行われた。
◆WTO交渉が決裂
重要品目合意も不安はぬぐえず
7月、WTO新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)をめぐる非公式閣僚会議がスイスのジュネーブで開かれたが、米国と中国・インドが対立し決裂。金融危機の突破口として期待された12月の会議でも合意には至らず、交渉は先送りされた。ただ7月の会議では、日本が死守したい重要品目をめぐる扱いについて、大方が合意。主要農畜産物がほぼすべて重要品目の十勝にとって、一時的に危機を回避はしたものの、依然として不安は消えていない状況が続いている。
◆管内JA、支払高好調
前年比46億円増 史上最高に匹敵
十勝地区農協組合長会、十勝農協連、十勝支庁が集計した08年産農畜産物の管内24JAの支払(取扱)高は前年比2%、46億円増の2463億円。畑作は豆類、畜産は酪農の生乳生産が好調で全体を押し上げた。
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