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【WTO交渉再開】農業団体幹部に聞く(下)

2008年12月08日 14時18分

山田富士雄・道農民連盟委員長(全十勝地区農民連盟委員長)
         農業が持続できる対策必要

 今まではWTO(世界貿易機関)だけの話だったが、今は米国のサブプライムローン問題に端を発する世界的な経済危機に対し、その突破口として自由貿易を促進する議論に変わっている。

 7月の交渉はセーフガード(緊急輸入制限)をめぐって中国やインドと米国が対立し決裂したが、日本が主張していた重要品目の数(8%)は決裂要因ではなく、ほとんどの国が事務局長の裁定案(原則4%、例外的に6%)を受け入れた。

 日本は重要品目をめぐる議論で“多勢に無勢”。カンクン閣僚会議(2003年)以降、日本の経済事情を理解してくれる他国との仲間づくりが大切だと機会があるごとに訴えてきたが、状況はほとんど変わっていない。12月の交渉では真の日本の外交能力が問われてくる。

 農業の保護政策は83兆円の国家予算の中で行われているものではなく、財源は関税のいわば特別会計。貿易の自由化で関税が削減、撤廃されれば農業が打撃を受け、農業を主産業とする地方はますます疲弊する。

 地方の経済を立て直すという政府にどこまでのことができるのか。今の日本に欠けているのは食料政策。自給率は先進国中最低で、その向上が求められているが、具体的な対応が何一つないままWTOの妥結が迫っている。

 国際交渉は相手のあることなので、日本の主張がすべて反映されることは難しいだろう。しかし、輸入農畜産物が入ってきても日本の農業が持続できる国内対策をしっかりと打ち出しつつ、国民理解を得られるような努力が国に求められる。
(聞き手・高田敦史)

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