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【WTO交渉再開】農業団体幹部に聞く(中)

2008年12月07日 14時15分

有塚利宣十勝地区農協組合長会会長(JA帯広かわにし組合長)
         自給率50%へ足腰強い農業を

 JAグループは9日に東京で全国から3000人が集まって緊急の集会を開く。それほど今回の交渉には危機感を持っている。

 前回の交渉で重要品目数はタリフラインの8%を主張してきた日本が、仮に4%で妥結したら、特定の地域が大きなダメージを受けかねない。米や小麦と違い、十勝で多いビートや雑豆などは地域の特産で、重要品目とみなされるかは厳しい。

 林業、水産業を含めた一次産業は絶えず気象災害と貿易との戦いだった。貿易交渉という世界との戦いが終結した時、果たして本当に、日本が目指す自給率50%に達しているのか。

 近年から世界中で食料がまったく足りない状況に一転した。しかも世界の飢餓人口が8、9億人いて、毎年1億3000万人ずつ人口が増加している。

 食料が不足してくるとどこの国も自国を優先する。貿易の自由化どころではなくなる恐れがある。世界的な金融恐慌の沈静化のためにWTO交渉を加速させるという向きもあるが、国内の自給率向上も非常に重要だ。貿易ルールが決まったからといって食料安全保障が担保されるわけではない。

 日本の食料生産基地・十勝としては、いつ何時、世界の情勢がどうなろうと揺らぐことのない生産基盤の維持が大切。国内で乳製品の余剰が発生したが、原油価格が落ち着き、穀物飼料価格も低下してくると消費が伸びない国内では再び乳製品の余剰が生まれかねない。

 そうした時に食料を備蓄することで逆に輸出できる可能性もある。あらゆる手を使って自給率50%に向けた足腰の強い農業を確立することが先決だ。
(聞き手・高田敦史)

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