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【WTO交渉再開】農業団体幹部に聞く(上)

2008年12月06日 14時57分

飛田稔章JA北海道中央会会長(JA幕別町組合長)
         食料生産の国民的合意必要


 世界的な経済不況を契機に、WTO(世界貿易機関)交渉が再開される見通しだ。7月の交渉では妥結寸前まで進み、十勝の農業界も一時緊迫したが、各国の足並みがそろわず決裂した。再び緊張感に包まれている農業団体幹部に次期交渉に向けて望むこと、国内対策がどうあるべきかを聞いた。


 前回の閣僚交渉(7月)で重要品目数のタリフライン(関税分類表に基づく品目の細目数)が原則4%、例外的に6%で合意寸前までいった。これは日本農業にとって認め難いことであり、この流れの中では日本は議論の土俵に上がるべきではないし、上がったとしてもタリフラインは8%、砂糖を関税作物として位置付ける、上限関税は認めないといった主張を明確にしていかなければならない。

 地球規模で食料不足が懸念されている。温暖化の影響で生産がうまくいかない現象が起きている一方で、新興国の需要は増加している。輸出国の言い分だけで動いていくと、日本のように生産条件が大国にかなわない国では農業が疲弊していく。

 大切なのは日本の消費者に食料生産の重要性と、安心安全を含めた農業者の努力を訴えて、自国の食料生産をどうしていくのか、議論を深めて国民的な合意を形成していくことだ。国内にも自由貿易を求める声があるが、食料と工業製品との違いは明白だ。極論すれば、農業はWTO交渉から切り離し、各国の食料政策を論議する場を別に設けてもいい。

 しかし、国際交渉は何が起こるか分からない。前回交渉時には現地にいたが、交渉は現地任せで官邸の意向は見えず、報道が先行して情けない思いをした。いつ交渉が再開しても、きちっと主張できるよう、農業団体としても政府を後押ししていく態勢を取っていかなくてはならない。

 日本の食料基地の北海道農業を維持していくためには、経営が成立し、生活ができる農業にしなくてはならない。コスト負担などの理解をしてもらえるよう、消費者との信頼関係を築いていくことが重要だ。
(聞き手・末次一郎)

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