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【更別村 地域の懸け橋 「サラリ」始動】(上)

2008年12月03日 15時53分

 村内限定の地域通貨券「公益通貨サラリ」の運用が始まった。高齢化が進み、活力が失われつつある村で、住民同士がボランティア活動を通じて助け合い、共に支え合うまちをつくる新たな挑戦だ。“懸け橋”となるサラリ導入の意義と、事業に寄せる人々の思いを追った。(山崎大和)

一石二鳥
地域も商店街も元気に
相互扶助の仕組みづくり重要



 「サラリを活用して地域で支え合い、安心して暮らせるまちづくりを」。NPO法人どんぐり村サラリの広瀬孝志理事長は力を込める。

 「サラリ」の紙券発行は11月17日に始まった。運営に当たる同法人によると、NPO法人が道財務局から前払式証票の「第三者型発行者」として登録を受け、無期限の地域通貨券を発行するのは道内でもまれ。ボランティアの活発化(謝礼として使用)に加え、地元商店街の活性化も目指す“一石二鳥”の試みだ。

サラリふれ愛センターで紙券を買い求める会員(右)。新たな挑戦が始まった

村外流出に危機感募る
 地域通貨の発想は更別村側のアプローチから始まった。2004年、上更別地区唯一の食料品取扱店が採算が合わず撤退。地区住民が出資する形で協働店舗を立ち上げ、同店は存続したが、「消費の村外流出を食い止める手だてを講じないと、更別市街地も苦しくなる」。当時の役場担当者は危機感があったと明かす。

 05年には村商工会が音頭を取り、住民や関係機関の代表者でつくる「村地域通貨事業検討委員会」(太田智範委員長、17人)が発足。06年には委員5人が大阪府内3市の地域通貨を視察。相互扶助の精神で地域通貨を導入し、元気を取り戻した事例を見て感銘を受けた。

 「商店街の振興ありきでは、住民からそっぽを向かれる。ボランティア活動を通じて住民が交流し、通貨券の取引が活発化、最後に商店街で使ってもらう仕組みが望ましい」。視察団は共通の思いを抱いて帰村した。検討委は2年間にわたる検討結果を報告書にまとめた。

 しかし、更別は農家経営に象徴されるように自己完結型が主流で、住民レベルでも「ボランティアの素地がない」との声が聞かれた。検討委は、視察先の1つだった寝屋川市の地域通貨「げんき」を成功させたNPO法人寝屋川あいの会の三和清明代表を、2度も更別に招いて講演会を開くなど、導入への機運を高めた。村も協働のまちづくりにつながるとして、財政面などで後押しした。

4月にスタート3種類の会員
 そして今年4月、どんぐり村サラリが産声を上げた。村民は(1)利用会員(ボランティアをしてほしい人)(2)活動会員(できる人)(3)ふれ愛会員((1)と(2)の両方を望む人)−のどれかに1000円を支払って登録。「100サラリ」と「500サラリ」を使うことができ、サービス内容は同法人が仲介する。

 法人設立に尽力した下津孝允理事は「高齢化が進む中、行政サービスには限界がある。余力があるうちに、住民が共に支え合う仕組みをつくることが重要」と強調する。村政の基本理念である『いつまでも住み続けたいまちづくり』の先駆的な取り組みとして、サラリは動きだした。

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