このページは十勝毎日新聞に掲載された
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【2002年7月9日紙面 より】

デメーテル作品紹介 2


黄金の馬の骨
十勝の風で生命
インゴ・ギュンターさん(ドイツ)

金ぱくを張りつめた馬の頭蓋骨を手に、手応えをつかむインゴ・ギュンターさん

■「時折、形を成す中小210の断片」
 本物の馬のがい骨に金ぱくを張りつめ、天井からつるして展示。博物館の標本ではなく、骨の一つひとつが十勝のさわやかな風に揺られることによって、黄金の馬が生命を吹き返すだろう。一獲千金を求める人間たちの、一瞬の幻影のように…。複雑な形状の骨にのりで金ぱくを張るのが根気の要る大変な作業だが、サポートスタッフたちが真剣に取り組んでくれているので、満足のいく作品ができそうだ。
 ほかに、厩舎(きゅうしゃ)内の壁に馬の影を映しだし、失われた馬たちの記憶をシルエットでよみがえらせる「馬についての脈絡のない想像の現代キッチュ風シャドーレンダリング」と「中国製、インド製、タイ製、その他原産国不明の馬たち」を出品。

街角と彼女の時間交錯し覚醒
キム・スージャさん(韓国)

■「物乞いの女」
 ナイジェリア、ラゴスの街頭で右の掌を上にして座り続ける。人々の脚だけが見える。「物ごい」という卑しい行為は宗教の修行のたく鉢につながる。彼女は物ごいという小さな身ぶりを通 し、人々の間に生きてゆくことの孤独と連帯を探っている。

■「ホームレスの女」
 カイロの街角の小さな広場に行き倒れしたかのように横たわる。それを遠巻きに眺める人、あえて無視して去っていく人、そして心配そうに様子をみようと肩をたたく人など、さまざまな反応の中で、彼女は動かない。
 いずれの作品も現実の街角の時間とその中で身じろぎもしない彼女の時間とが交錯し、ある覚醒(かくせい)の瞬間が訪れる。これらのビデオは単にパフォーマンスの記録ではなく、見る側も“参加”することを求められるだろう。