このページは十勝毎日新聞に掲載された
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【2002年1月1日紙面 より】
国際舞台の第一線で活躍
参加アーティスト10組紹介


オノ・ヨーコ

既成概念からの解放を誘う

1933年、東京生まれ。ニューヨーク在住。「世界一名前が知られていて、作品が知られていないアーティスト」(故ジョン・レノン)。ジョンの夫人としてあまりにも有名だが、近年、アーティストとして再評価の声が高まっている。多岐にわたる表現の形態をとり、既成概念からの解放を呼び掛ける。彼女の作品と対峙(たいじ)するとき、あらゆるものと関係を結んで境界をはみ出していこうとする彼女の誘いに、人はついこたえたくなってしまう。

■近年の発表
 01 横浜トリエンナーレ(横浜)
 00 個展「YES YOKO ONO」(「ジャパンソサエティー・ギャラリー」 ニューヨーク、「ヒューストン現代美術館」ヒューストン、「サンフランシスコ近代美術館」サンフランシスコほか巡回。)
 00 シドニー・ビエンナーレ(シドニー、オーストラリア)


蔡國強(さい・こっきょう)

自然と人との対話

1957年、中国福建省生まれ。ニューヨーク在住。火薬を爆発させる大規模なプロジェクト群で知られる蔡だが、ほかの作品に用いられる素材は漢方薬から自動車のスクラップ、さらには生身の中国の伝統療法士や風水師まで、不思議な幅広さがある。その背景にあるのは「自然と人との対話」。自然の表皮に刻まれた歴史のらく印と無限の生命力を読み取り、それを作品化することだ。人と作品と自然とが一体になったとき、そこにひとつの完ぺきなシステムが立ち現れる。

■近年の発表

 01 横浜トリエンナーレ(横浜)
 00 越後妻有トリエンナーレ(新潟)
 99、97、95 ヴェネツィア・ビエンナーレ(ヴェネツィア、イタリア)
 98 台北ビエンナーレ(台北、台湾)
 97 イスタンブール・ビエンナーレ(イスタンブール、トルコ)


シネ・ノマド

移動する人々を追った詩的な映像

ニコラ・ハンベルト(1958年生まれ)とヴェルナー・ペンツェル(1950年生まれ)の2人の映像作家によるチーム。ミュンヘン在住。世界中を演奏して回る音楽家フレッド・フリス、移動/仮設を繰り返すサーカス団「シルク・オー」、サハラの遊牧民トゥアレグ族など、ノマディックな人々を追った詩的な映像作品を制作している。移動することが基本であるがゆえに際立つ「今、ここにいる」ことを自覚する存在の確かさが、モノクロのイメージを通 して伝わってくる。最新作はギリシャのパトモス島に住んだアメリカの詩人、故ロバート・ラックスの詩と生活をつづった『スリー・ウィンドウズ』。

■近年の発表
 99−01 「スリー・ウィンドウズ」(「ミュンヘン美術館」ドイツ、「P3 art and enviroment」東京、「キアスマ現代美術館」ヘルシンキ、フィンランド、その他を巡回)  95 「ミドル・オブ・ザ・モーメント」(映画作品)


カサグランデ・リンターラ

不思議と情緒が漂う

マルコ・カサグランデ(1971年、フィンランド生まれ)とサミ・リンターラ(1969年、フィンランド生まれ)。98年に結成された2人の建築家によるユニット。フィンランド在住。建築だけでなく、異分野とのコラボレーションも積極的に行っている。彼らは作品において社会や環境の問題を扱っているが、ランドスケープとしても十分な大規模な表現は建築家ならでは。不思議と情緒が漂う作品の風景からは、物語性すら感じることができる。

■近年の発表
 01 横浜トリエンナーレ(横浜)
 00 ハバナ・ビエンナーレ(ハバナ、キューバ)
 00 ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展(ヴェネツィア、イタリア)


ヴィンター&ホルベルト

創造された魅力的な境界

ウォルフガング・ヴィンター(1960年、ドイツ、オッフェンバッハ生まれ)とベルトルト・ホルベルト(1958年、ドイツ生まれ)の2人によるユニット。ドイツ在住。プラスチックの瓶ケースを積み上げて建築構造物のような作品をつくることで知られる。彼らによって創造された空間は、すき間だらけの壁から光や風やあらゆる小さな侵入者を許してしまうことから、現代建築の持ついくつかの機能は期待できない。彼らはむしろ境界を創造していると言った方が適当かも知れない。すかすかで軽やかで、魅力的な境界だ。

■近年の発表
 00 アート・シカゴ2000(シカゴ、アメリカ)
 99 ヴェネツィア・ビエンナーレ(ヴェネツィア、イタリア)
 97 ミュンスター彫刻プロジェクト(ミュンスター、ドイツ)


川俣正

現実を大胆に変質、異化させる

1953年、三笠市生まれ。東京在住。現実の都市そのほかの空間に侵入し、そこを大胆に変質、異化させていく、特異なインスタレーション。川俣作品のラジカルな力強さは、国際的に高く評価されてきた。最近は芸術と社会、都市と人間、歴史と現在といった普遍的なテーマにしっかりと照準を合わせ、世界各地で大規模なアート・プロジェクトを展開している。

■近年の発表
 01−02 「デイリーニュース」(水戸芸術館現代美術センター)
 01 「ロッジング東京」(東京)
 00 「ロッジング・ロンドン」(ロンドン)
 00 「ワーク・イン・プロイグレイス豊田」(豊田)


インゴ・ギュンター

観客が体験して成立する作品

1957年、旧西ドイツ、ハノーファー生まれ。ニューヨーク在住。メディア・アートの革新者。境界を越えた現象を可視化して観客に投げ掛ける。観客が体験して初めて成立する作品も多い。それは時として問題提起に、また、時にはまったく思いがけない提案ともなる。ジャーナリストとしても活動しているが、あらゆる制約から自由でいるために「アート」を表現手法として選んでいる。近年の興味は「外交」に向かっている。

■近年の発表
 01 個展「Post EMP」(ユニバーサル・コンセプツ・ギャラリー、NY、米国)
 00 恒久展示「エキソスフィア/グローブ・フィールド」(オウトシュタッド、ドイツ)
 99 ボストン・サイバーアーツ・フェスティバル(ボストン、米国)
 98 個展「リプブリーク・ドット・コム」(デュッセルドルフ・クンストハーレ、ドイツ)


岩井成昭(いわい・しげあき)

他社とのランダムな出会い

1962年、東京生まれ。オーストラリア在住。「見知らぬ 他者とのランダムな出会い」が起こり続ける都市生活への興味から、生活一般 の中にみられるノイズ、言語、ファッションなどを収集、集積させてそれらの関係性を作品にしようと試みている。特にここ数年は世界中の大都市で見られる「多文化現象」にテーマを絞っている。

■近年の発表
 00 ハバナ・ビエンナーレ(ハバナ、キューバ)
 99 アジア・パシフィック・トリエンナーレ(ブリスベーン、オーストラリア)
 99 福岡アジア・トリエンナーレ(福岡)
 98 個展「Dialogue」P3 art and enviroment(東京)


キム・スージャ(金守子)

人間の関係性の「糸」考察

1957年、韓国・大邱(テグ)生まれ。97年のベネツィア・ビエンナーレまでは布を使用して作品を制作してきたが、以降バス(!)や映像などを使用し、表現が多様化してきている。一貫して「縫う」という考え方をベースに、過去・現在・未来にわたって社会の中につづられる目に見えない人間の関係性の「糸」について考察している。

■近年の発表
 00 個展「針の女」(ICC,東京)
 00 越後妻有トリエンナーレ(新潟)
 97 ヴェネツィア・ビエンナーレ(ヴェネツィア・イタリア)


デメーテル・カフェ


中村政人(なかむら・まさと)【写 真右】
アートを取り巻く状況を都市と絡め考察

1963年、秋田生まれ。東京芸術大学大学院修士課程修了、東京在住。アーティストでありながら、「コマンドN」という非営利組織を運営し、様々な形式で活動を発表。アートとアートを取り巻く状況を、都市と絡めて相対的に考察し、作品を具現化している数少ないアーティスト。

■近年の発表
 99年 個展「美術の教育1999」コマンドN/□、東京
 ビデオアート展「秋葉原TV」プロデュース、東京
 00年 「低温火傷」東京都現代美術館、東京
 01年 第49回ベネチア・ビエンナーレに日本代表として参加



田中陽明(たなか・ひろあき)【写 真中央】
1970年、福井生まれ。さまざまなジャンルのアーティストたちによって緩やかにオーガナイズされたメディアアートプロジェクトを運営している。日常の生活環境をよりフレキシブルに改善していくことを目的とし、活動している。



岸健太(きし・けんた)【写真左】
1969年、東京生まれ。「作品制作」と「教育」という二つの異なる行為を独自に翻訳し融合させて活動を展開している建築家。それらの進行において、主観によらない対話形式を用いることによって随時更新される状況を肯定的にとらえ、結果 として発生する「出来事」の可能性を追求している。


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