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↑時間のかかる力勝負で大激戦を演じた28日の「ばんえい記念」。走路改良で同様のレースが増えるかどうか ばんえい十勝は29日に新生3年目の開催を終えたが、レースタイムが年々速くなり、1分台のスピードレースが続出、ファンから「走っては止まるばんえい本来の魅力が減った」と声が上がる。主催者は「2年前に入れ替えた砂が摩耗して排水パイプが目詰まり、水分が高くなって馬場が軽くなった。粗い素材に全面入れ替える」と4月1日から改良を始める。同競馬らしい力勝負が復活するかどうか。 同競馬は200メートルの砂地のコースを走り、途中2つの障害(高さ1メートルの第1障害と、同1.6メートルの第2障害)を越える。最高1トンの重いそりを引き、途中で止まっては息を整える駆け引きが魅力だ。 有力馬が出場する重賞レースは、従来2〜3分かかるレースが大半だった。新生初年度(2007年度)は重賞22レース中、2分以上17回、1分台5回(23%)。それが08年度は1分台が25レース中10回(40%)、今年度は同15回(60%)に増え、28日の最高峰「ばんえい記念」のみが3分を超えた。 主催者は08年度の開始前に走路の砂を入れ替えたが細かい海砂を使用、年間通じての開催のため摩耗が激しく、排水パイプが目詰まり、晴天の日には砂ぼこりが舞った。強雨後の昨年6月13日にはスタート直後のコースが冠水、ぬかるみになって開催中止(3日後に延期)の事態も。 このため同年10月に第1障害から第2障害まで約75メートルを「ビリ砂利」(粒の大きさ約5〜10ミリ)に入れ替え効果があった。今回は残りのコース全部とゴール後の区域、両障害の砂を35〜40センチの深さで入れ替える。同競馬運営のオッズパーク・ばんえい・マネジメントは「4月9日の走路開放で試走、新馬が挑む同11日の第1回能力検査に向けて支障がないかどうかも見極めたい」とする。(横田光俊)
帯広や場外の落ち込み大きく
ネットは前年比1割増 帯広市単独開催3年目のばんえい十勝は29日、今年度開催の全日程(150日間)を終了した。馬券の発売成績は107億3613万7400円(予算比6・94%減、前年比7.09%減)で、当初予算や前年実績より約8億円下回った。薄暮レースや直営場外移転、競馬界初の5重勝式馬券導入など「暗中模索」の3年目だったが、単独開催以降では2年連続の前年・予算割れとなった。 1日当たりの予算額を上回った開催日は計40日で全体の27%。長引く不況や娯楽の多様化、新型インフルエンザの流行といった世相を反映し、1日平均の発売額は7157万4249円(予算額7690万8110円)と縮小した。夏場の天候不順、ネット販売のシステム障害、道営場外の販売見込み日数減なども響いた。 帯広競馬場は発売額が27億5763万4800円(予算比12・55%減、前年比8・66%減)と低迷。入場者数も前年比6.81%減の20万176人にとどまった。 今年度移転した旭川や北見など道内6カ所の直営場外は37億4228万8800円(同3.72%減、同12.82%減)。北見、岩見沢、釧路、苫小牧、名寄で予算額を3〜6%上回ったが、最大の旭川が予算比14.87%減の14億8705万1200円と伸び悩んだ。各場外とも前年比で6〜17%近く落ち込んだ。 ネット・電話投票は今年に入り5重勝導入などで26億5546万8100円(同3.84%減、同9.98%増)と前年を上回った。5重勝の高額配当に期待する新規ファンが増加、ばんえい史上最高の払戻金(1022万2930円)が出るなど明るい話題もあった。ただ帯広競馬場や直営場外での販売収益が約25%に対し、手数料としてさらに11.6〜15.0%が引かれるため収入は少ない。 広域発売は15億8074万5700円(同8.87%減、同13.58%減)。当初全日程で発売を想定していた道営のミニ直営場外「Aiba」の発売日が130日間にとどまり、1日当たり約1000万円減収になった。 市単独開催4年目は7月に複合施設(観光交流拠点施設)の開業、網走直営場外新設などで今年度実績比1.3%増の108億7659万円(予算額)を見込む。市ばんえい振興室は「来年度は複合施設ができるので宣伝に力を入れたい」(合田隆司室長)と話している。(中津川甫)
きゅう舎一丸で2年連続2冠。服部調教師(右手前)と鈴木恵騎手(左同)ががっちり握手。ベテラン大河原騎手(左後ろ)と新鋭・長澤騎手(右同)も充実の1年をアピールした ばんえい十勝は29日、今季150日間の開催を終えた。注目のリーディング(最多勝)は調教師部門で服部義幸調教師(63)が102勝、騎手部門は史上初の200勝を達成した同きゅう舎の鈴木恵介騎手(33)がともに2年連続の栄冠、服部きゅう舎が2年連続2冠の快挙を遂げた。同きゅう舎はベテラン大河原和雄騎手(50)がリーディング4位の131勝、デビュー2年目の長澤幸太騎手(21)は2009年の日本プロスポーツ大賞新人賞とNAR(全国地方競馬協会)新人賞を獲得するなど「チーム服部は最高の年だった」(同調教師)と振り返り、新年度のさらなる躍進を誓う。(横田光俊) ![]() ドラマ満載、感動の1年だった。昨年正月デビューの新人・長澤騎手が今季も初めから快進撃。新馬のテンマデトドケの手綱を任され9月の重賞「ナナカマド賞」を勝ち取り、重賞初制覇で自信を付け新人賞獲得に向けて勢いを得た。今度は同号の主戦・大河原騎手が新馬の最高峰重賞「イレネー記念」(今年3月)を制して服部きゅう舎の今季100勝目を劇的に飾った。大河原騎手はキタノタイショウでも重賞2勝。「チーム服部のシナリオ通りに進んだ」と胸を張った。 さらに最終盤、「ばんえい若大将」としてファンに大人気の鈴木恵騎手が2月6日に年間最多勝記録174勝を打ち立て、その後も勝ち続けて、「ばんえい記念」の開催日で最も盛り上がる3月28日に200勝達成、しかもそのレースで久田守調教師に1000勝もプレゼントするドラマを演じた。 鈴木恵騎手は「服部先生は騎手を育てるのがうまい。新年度は自分の1000勝(現在891勝)を目指す」。長澤騎手は「目標とする先輩2人を乗り越えられるように」と決意。服部調教師は「面倒見が良くて厳しい河さん(大河原騎手)のおかげで若手が育った。鈴木恵騎手も中身の濃い乗り方をしている。新年度もこのチーム一丸で大いにやります」と力を込めた。 リーディング表彰を受けた(左から)鈴木恵、藤野、藤本、大河原、松田の各騎手 勝利数上位の5騎手を表彰 今季の最多勝(リーディング)騎手の表彰式が29日午後5時15分から行われ、北海道日刊スポーツ新聞社から上位5人の騎手に表彰状が手渡され、ファンの歓声と祝福に包まれた。 受賞したのは首位・鈴木恵介(200勝)、2位・藤野俊一(166勝)、3位・藤本匠(133勝)、4位・大河原和雄(131勝、2着104回)、5位・松田道明(同、同103回)の5騎手。4位と5位はこの日の最終レースまでもつれこむ大激戦となり、2着回数1つの差で決まった。5人の騎手は「4月24日に始まる新年度も勝ち続ける。応援よろしく」とファンにアピールしていた。
![]() 後輩の騎手たちから祝福を受ける久田守調教師(中央) 13年目で達成記録更新 「馬、後輩ともに育てる」 ばんえい十勝の久田守調教師(57)が28日に1000勝を達成、29日午後2時15分から帯広競馬場で表彰式が行われた。「馬のことだけを考え、後輩の騎手も育てていく」と馬も人も育てる名トレーナー。騎手時代に2103勝を挙げた「2000勝ジョッキー」の調教師1000勝は史上初の快挙、調教師開業13年目での1000勝達成は山田勇作調教師の19年目を大きく更新した。十勝に根付いた活動を続ける久田さんには、後輩の騎手、大勢のファン、卓球で活躍する娘たちから花束が贈られ、来場していた映画「雪に願うこと」の根岸吉太郎監督も祝福した。 久田さんは北見市出身。1972年に騎手デビュー、細身の体で努力を重ね、24年間に重賞57勝を含む2103勝を挙げて、ミスターばんえい金山明彦氏(通算3299勝、現在調教師)と並んで黄金時代を築いた。97年に調教師開業、重賞23勝を含む1000勝目を28日の第8レースで、鈴木恵介騎手の年間200勝と同時に達成した。 「鈴木恵介騎手には『チャンスの年だ。200勝を絶対に取れ』と言っていた。まるで舞台がセットされたような勝ち方」と久田さん。 2006年公開のばんえい競馬を舞台にした映画「雪に願うこと」では久田きゅう舎のマルニシュウカン(08年引退、現在種牡馬)が「ウンリュウ」として出演したが、表彰式後には根岸監督から祝福を受けた。「ウンリュウの子が来春デビューする。楽しみ」と監督と笑顔で語り合った。 表彰式では長女、次女、三女からの花束も。次女、三女は卓球の全道大会優勝など十勝のスポーツ界も盛り上げている。 「馬のことばかり考えて自分の顔も長くなってきた。後輩の騎手たちも育てて勝ち星を挙げてきた。馬の側に立った調教に徹する」と今後も手腕を発揮していく。(横田光俊)
騎手らから花束が贈られ笑顔の砂川市長 ばんえい十勝は29日に今季を終了、最終レース(午後5時半発走)前に主催者を代表して砂川敏文市長がファンにあいさつした。4月勇退の同市長にとって最後の場面となり、来場者を見送った後、騎手、調教師、支援団体から花束が贈られ、胴上げされた。 同競馬が4市開催で廃止の危機を迎えた際、市長の決断で存続が決まり、2007年から新生競馬が帯広市単独で始まった。約200人のファンの前で市長は「今年もばんえい競馬は頑張った。長く長く続けていきたい」とあいさつ。ファンに囲まれ感謝の言葉をもらった市長は「本当に、残して良かった」。入場門で観客の見送りを終えた後、調教師会(岡田定一会長)、騎手会(藤本匠会長)、ふれあい動物園スタッフの谷あゆみ調教師らから「市長のおかげで続けられた」と花束を受け、騎手全員で胴上げ。市長は「ありがとう」と涙を浮かべた。(横田光俊) |
