馬名刻み作品に 全国3カ所移動展
能楽写真の有名写真家で、ばんえい競馬の取材を3年間続けてきた太田宏昭さん(東京在住)が11日からキヤノンギャラリー銀座(東京)を皮切りに、札幌、梅田(大阪)の同ギャラリーで写真展「ばんえい競馬・光と砂」を開く。従来のばんえい写真の「迫力」「力強さ」のイメージから離れ、日本の美を追求してきた太田さんの作品は「ばん馬の命の一瞬の輝きを永遠に残したい」という思いから、短い命を燃焼させる馬の美しさ、深い表情が際立つ。一頭一頭の名前を記した作品は、3カ所の写真展終了後、帯広に運ばれてきゅう舎関係者に寄贈される予定だ。
帯広競馬場で撮影する太田宏昭さん
太田さんは大阪芸大卒。能楽写真家協会会員で、2001年にリトアニアで能楽写真展「道成寺」を開くなど日本伝統の美を描く写真家として雑誌などで活躍。帯広競馬場には、4市共同開催時代の07年1月から通い続け、新生競馬も含めて計8回、各3日間ずつの撮影に訪れた。
太田さんの撮影は、写した馬の名前をその場できゅう務員に聞き、カメラの写真データに声で録音しながら行う。「出会った馬、一頭一頭の名前にこだわった」と、ばん馬のまなざしを見詰めた。
出来上がった作品42点は能の舞台を思わせる。白いたてがみに深い表情のユメノキング号(本別町産駒、08年競走馬登録抹消)、パドックで高く跳ね上がるボンバイエ号(芽室町同、09年同)、牝馬のかわいらしさが輝くトカチマドンナ号(本別町同、08年同)など、今は競馬場から消えた馬の姿も数多くとらえた。
終了後に寄贈も
写真展は▼キヤノンギャラリー銀座(東京都中央区銀座3ノ9、3月11〜17日)▼同札幌(札幌市中央区北3西4、4月1〜13日)▼同梅田(大阪市北区梅田3ノ3、5月13〜19日)で開催。終了後は「ばんえいきゅう舎の皆さんに見てもらう機会を設け、その場で持ち帰ってもらうようにしたい」(太田さん)と地元関係者と準備を進めている。(横田光俊)