大記録達成、ファンからもらった花束を掲げて歓声に応える鈴木恵介騎手
6日の第10レース、鈴木恵介騎手はギンガリュウセイ号で鮮やかに第2障害を越え勝利する
ばんえい十勝で歴史的な大記録が達成された。「ばんえい界の若大将」としてファンに人気の鈴木恵介騎手(33歳、服部義幸きゅう舎)が6日、年間勝利数を174勝として坂本東一氏(現在調教師)の2000年の記録173勝を更新した。鈴木恵騎手は7日にもメーンレースを制して同日現在175勝。この勢いで今季残り22日開催中に夢の「200勝」達成がなるかどうか、シーズン終盤のばんえい十勝で最大の話題だ。
坂本氏の173勝10年ぶり更新 「次の目標は200勝」
6日の2勝は、いずれも鈴木恵騎手の腕がさえた。第8レース、ツバキダイヤ号(牝6歳、林豊きゅう舎)は3番手で第2障害を降り、ゴール直前に4頭が並ぶ激戦で大逆転勝利。これでタイ記録とすると、オープン馬が居並ぶ第10レースは鮮やかな障害越えでギンガリュウセイ号(セン6歳、久田守きゅう舎)で先行、逃げ切った。
記録達成後のセレモニーでは、この時を朝から待ち続けたファンから花束を受けて「うれしいのひと言」と感無量の表情。この日の2勝は「どちらも馬の全能力を出し切れた。馬主さん、きゅう舎の皆さんのおかげ」と感謝した。
渡島管内森町出身。父が馬主で子供のころから馬が近くにいた。中学生の時、父に連れられて岩見沢競馬場でばんえい競馬を見て騎手にあこがれた。森高校を卒業後、18歳できゅう務員に、21歳で騎手デビュー。坂越えの名馬ミサイルテンリュウ号(槻舘重人きゅう舎、昨年11月死亡)との出会いが運命を変えた。「どんな場面でも冷静に。馬にたくさんのことを教えてもらった。大きなレースに勝って自信になった」と振り返る。
昨年度、最多勝騎手になったが、坂本氏の記録にあと1勝届かなかった。「あれだけ頑張っても届かなかった。とんでもない大記録だ」。今季の大躍進の契機は、義父の鈴木勝堤騎手(2005〜07年度の年間最多勝騎手)が一昨年から昨年秋まで脳腫瘍(しゅよう)で戦列を離れたことだ。服部調教師は「義父の代わりにばんえいを引っ張ろうと発奮、努力した。思い切りのよさ、第2障害を降りてからの勝負強さは本物だ」と絶賛する。
鈴木恵騎手は「次の目標は200勝。自分でも次に超えられない記録をつくりたい。ばんえい関係者とともにこの挑戦で盛り上げたい」と決意する。(横田光俊)