帯広競馬場の複合施設化で、市は事業期間(5年間)の経過後、事業予定者から施設所有権の譲渡も選択できるようにする方針だ。4月1日付で締結する契約の中に文言を盛り込む方向。市は建設費全額を補助するが、事業予定者が所有権を持つことに異論が出ていた。事業予定者は所有権にこだわっておらず、5年後に諸般の事情を考慮し所有権移転の是非を判断する。
施設所有権の問題は1月下旬の市議会産経委員会でも取り上げられ、市は事業予定者の特別目的会社(SPC)「とかちむら」の意向として、「無償で(施設を)市に譲渡することも考えている」と説明していた。
所管する市商工観光部は「契約段階で5年後、譲渡を受けるか受けないのか、市が選択できる形で契約や仕組みを考えたい」と強調。5年後の所有権移動の是非については、「メリット、デメリットを含めて全部洗い出し、検討する」としている。
市が施設所有権を所有した場合、土地の転貸リスクが解消される半面、修繕費を含めた維持管理費や解体費の負担、固定資産税収入が無くなるなど新たな課題も生じる。
高額補助と施設所有権の関連をめぐっては、とかち市民オンブズマンの会(長谷川亮会長)が「市民の税金で建てた施設の所有権がなぜ民間企業になるのか」と反発。経済界や市民にも波紋を広げていた。高額補助への批判を受け、市は地代を取らない代わりに補助額を当初の2億円から1億8000万円弱に圧縮していた。(中津川甫)