当初は税投入を否定
帯広競馬場の複合施設化をめぐり、帯広市は用地部分の賃料を「一般会計」で負担する方針のため、「競馬に対する事実上の一般財源繰り入れになるのでは」との懸念が強まっている。競馬場の土地・建物の賃料は、競馬収益を基本とする「ばんえい競馬会計」(特別会計)で負担してきたが、複合施設部分の賃料が一般会計で支出されれば、競馬運営会社の負担が軽減される構図に。ばんえい単独開催移行時、砂川敏文市長は競馬への税投入を否定していたため、説明責任が求められそうだ。
市は十勝農協連との間で競馬場の賃貸借契約(単年)を結び、1億5000万円の賃料は競馬会計で負担している。複合施設化では、用地部分のみを切り離して新たな賃貸借契約(5年)を締結、賃料は一般会計から支出する方針だ。
ばんえい競馬は現在、「オッズパーク・ばんえい・マネジメント」(OPBM)に運営を委託。委託料は賃料などの必要経費を差し引いて算定している。複合施設部分の賃料が除外されれば委託料も増え、結果的にOPBMの赤字圧縮につながる構図が浮かび上がる。
複合施設化はもともと、OPBM側が「赤字解消の構造改革」として砂川市長に迫ったのが発端。OPBMは昨年度、約6500万円の経営赤字を計上したが、その理由として、競馬場賃料の負担が大きい分、委託料が目減りすることを指摘していた。
改めて問題になってくるのが、競馬の単独開催移行時に市が示した税負担の考え方。砂川市長は競馬運営に対し、これ以上の一般財源を投入することに否定的な見解を示していた。このため複合施設に関しては「あくまでも観光交流拠点」(商工観光部)と説明し、直接的な競馬支援ではないとの認識を示してきた。
ある保守系市議は「この事業がばん馬のためということは明白。それをはっきり言わないから行政不信につながる」と指摘。市のあやふやな対応が、議会論戦の火種になることを懸念している。
なお、複合施設の事業主体(特別目的会社=SPC=とかちむら)に対して市は、年間160万円の地代を徴収する考えを示している。これに対し議会からは「少なすぎる」との批判が出ている。(競馬場取材班)