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ばんえい十勝は12月30日の日曜日に、帯広競馬場で今年最後の開催を迎えました。発売額は1億1150万1700円と12月で3回目の1億円突破を達成。4市共同開催だった昨年同日の発売額も上回る好成績で2007年の最後を締めました。 この日の場内は十勝に帰省中の家族連れも多数訪れ、現役最多勝の坂本東一騎手の引退レース、2歳馬の最強決定戦などで盛り上がりました。 午後5時発走の最終レース前にはスタンド前に騎手が勢ぞろいし、代表して大河原和雄騎手が「今年1年の応援ありがとうございました。来年も正月から騎手1人ひとりが奮闘しますのでよろしくお願いします」と年末のあいさつを述べ、元日開幕の正月競馬をアピールしました。 この日の発売はインターネットも好調に伸び、昨年同日の1億1000万9000円を超えました。4市共同開催時の売り上げを帯広市単独開催で乗り越えたことを関係者は評価。オッズパーク・ばんえい・マネジメント(OPBM)の藤井宏明社長は「今年は全体的に合格点。来年の正月開催に期待したい」と総括しました。
大接戦で逃げ切り勝利するホクショウジャパン(大河原和雄騎手) ばんえい十勝は12月30日、2歳馬最強を決めるホクレン杯第9回ヤングチャンピオンシップ・ホクレンエン麦特別が行われ、ホクショウジャパン(牡、服部義幸厩舎、大河原和雄騎手)が大激戦の中で勝利、今季11勝目を飾り、オレワスゴイ(牡、皆川公二調教師、安部憲二騎手)が2着に入り、今年の2歳人気馬の2頭がワンツーフィニッシュを飾りました。 ばんえい新馬のスターホースとして注目のホクショウジャパンが激戦を制しました。12月2日の釧路産駒特別(前々走)で勝利してから疲れに見舞われ、前走の24日には体重が14キロ減り6着と心配されましたが、「体調は戻った」と大河原騎手。 馬場水分7・5%と軽く、足を生かしてスタートから一度も止めず、第2障害下も休まないで一直線のノンストップレース。2歳馬強豪ぞろいのレースはオレワスゴイ(牡、皆川公二調教師、安部憲二騎手)、ウィナーナナ(牝、大友栄人調教師、藤野俊一騎手)、ニシキボス(牡、門脇税調教師、鈴木恵介騎手)との4頭の大接戦になりましたが、最後にホクショウジャパンが逃げ切りました。 服部調教師は「速さ、障害の強さ、性格の良さと三拍子そろった馬。弱点がない。疲れを脱して体重も増えてきた。これから壁にぶつかることもあるかもしれないが、強くしていきます」と誓っていました。 2歳最強馬の座に就いたホクショウジャパン(右端が服部義幸調教師、馬の左が大河原和雄騎手)
孫の郁哉ちゃん(上)、優哉ちゃん(手前)の祝福を受けて笑顔の坂本騎手 ばんえい十勝は12月30日、今年の最後の開催を行い、現役最多勝ジョッキーの坂本東一騎手=54歳、梨本照夫厩舎(きゅうしゃ)=と、2000勝ジョッキーの千葉均騎手=52歳、平田義弘厩舎、2106勝=の引退記念レース・セレモニーが行われました。千葉騎手は療養中のため欠席。坂本騎手はこの日6レースに騎乗して1勝を挙げ、生涯通算2681勝で、「ミスターばんえい」金山明彦氏(1999年引退、現在・調教師、3299勝)に次ぐ歴代2位の大記録で現役を終えました。両騎手は来年度から調教師で活躍します。 ファンの大歓声を浴びながら引退記念レースで力強い騎乗を見せる坂本東一騎手(マサミライ号) ばんえい騎手が勢ぞろいする前で引退セレモニーに臨んだ坂本東一騎手 ありがとう東一さん。最終レースでパレード、スタートに向かう坂本東一騎手(エナジーユウシオ号) 凜(りん)とした姿、さわやかな笑顔、そりの上で豪快に跳ねながら騎乗する「坂本ジャンプ」でファンに大人気だった坂本東一騎手が、ばんえい競馬史上歴代2位の2681勝の大記録を残して引退しました。頑固一徹、筋を通す名物ジョッキーでした。 ファンの姿を見掛けると必ず笑顔を送りました。無愛想な騎手が多いばんえい競馬の中で希少なプロ意識を貫きました。坂本騎手は「せっかくお客さまに競馬場に来ていただいて、粗末にされたら、そりゃ嫌な気分でしょう?」と、まろやかな津軽弁で語ります。ばんえい初の日本プロスポーツ大賞・功労賞受賞も、この姿勢があればこそです。 1975年に21歳でデビュー、なかなか勝てず騎乗機会が少ない苦境の時期を乗り越えた苦労人。リーディング(年間最多勝)5回、重賞38勝、年間最多勝記録(173勝、2000年)の輝かしい戦績です。朝一番で調教に出る熱心さは有名。強さの秘けつは「前向きにやることです」。昨年は悲願の最高峰レース「ばんえい記念」初制覇を目指して、トモエパワー(松井浩文調教師)の調教にまっしぐらに取り組みました。美香子夫人は「何も言っても聞かない人だから」と、その一徹ぶりを語ります。 30日の第7レース後の引退セレモニーで、ファンから抱え切れない数の花束を受けました。「きょうで騎手を引退いたします」とあいさつ。若手騎手から胴上げされました。芦別市から車いすで駆け付けた義母の荒井みつ子さん(76)は「目を見て涙が出ました」。式を囲んだ約200人のファンから「やめるなー」と声が飛びました。 第11レースで最後の騎乗を終えて、エナジーユウシオ(牡2歳、山田勇作調教師)を優しくなで、顔を寄せました。すべてを終えて「すっきりしました」。32年間、命懸けで戦い続けた男の充実した顔。美香子夫人は照れながら「ご苦労さまと、きょうは言ってあげようかしら」。
太田さん(右)と鳴海さん(左) 能楽写真の大家で馬をこよなく愛する写真家・太田宏昭さん(東京在住)が、ばんえい競馬の4回目の取材で12月28日に来帯、帯広在住の小説家・鳴海章さんとの強力コンビで30日まで取材を進めました。「命」を見詰める視点で質の高い作品を生み続ける2人は、今回は30日に引退レースを迎える現役最多勝の坂本東一騎手のストーリーなどを写真と文で雑誌に発表することを目指し、手弁当で取材を進めました。 小説「輓馬(ばんば)」(2000年刊、映画「雪にねがうこと」の原作)を世に出し、ばんえい競馬を初めて全国に広めた鳴海さんと、太田さんの出会いは2007年3月。20年間、能楽の写真を撮り続けて国際的評価を受ける太田さんが、同年1月の重賞ヒロインズカップの初取材以来、撮影した写真を厩舎関係者に送り続け、その作品を見た鳴海さんは「チヨノキング(福森浩厩舎)の誇り高い風貌、トカチマドンナ(久田守厩舎)の色気。どれも初めて見る馬の写真だった」と感動、共同作業が始まりました。 太田さんの写真には、これまでどの写真家も撮れなかった馬の風貌があります。日高の牧場で高齢の引退競走馬に触れるため乗馬も始めた太田さんは「ただ感性で撮るだけ」と言いますが、馬の命を静かに見詰め、愛情を込めてシャッターを押す心が作品に現れます。ばんえいのPRのために半年掛けてホームページ(http://chevalblanc.org/)も作り上げて10月から公開、ばん馬の62作品を載せ、鳴海さんが文を寄せました。 今回は30日まで3日間、坂本騎手の引退レースを中心に朝の調教も含めて取材。29日には大雪の中での撮影になり、超高速コースでの競馬で、命懸けで戦う騎手の姿をとらえる希有な写真も撮ったそうです。「2008年は、ばんえい記念(3月)などにも取材に来たい」(太田さん)と自費での帯広通いで取材をさらに重ね、鳴海さんの文章との共同作品の全国誌の雑誌への発表を目指しています。
ばんえい競馬の現役最多勝(現在2679勝)の人気ジョッキー、坂本東一騎手(54)=梨本照夫厩舎(きゅうしゃ)=が26日、日本プロスポーツ大賞の功労賞を受賞しました。同競馬関係者、十勝関係者の同大賞受賞は初の快挙。同日午後5時からハイアットリージェンシー東京で行われた授賞式に臨んだ同騎手は、満面に「坂本スマイル」を浮かべて喜びました。
(太田宏昭さん撮影) 同大賞は、その年のプロスポーツで最も活躍した選手・団体に贈られ、今年は大賞にJリーグの浦和レッズ、殊勲賞に米大リーグの松坂大輔ら、最高新人賞に女子プロゴルフの上田桃子、特別賞にプロボクシングの内藤大助らが選ばれ、ばんえい競馬から初めて功労賞に坂本騎手が栄誉に輝きました。 坂本騎手は青森県つがる市(元・木造町)出身。1975年初騎乗以来、32年にわたって活躍、99年以降5回のリーディング(最多勝)トップになり、今年3月の「ばんえい記念」をトモエパワーで制するなど数多くの功績が評価されました。ファンにはいつも笑顔を絶やさない「坂本スマイル」、豪快な騎乗スタイルの「坂本ジャンプ」で大人気。今年の調教師試験に合格し、今月30日に引退レースを迎えます。 受賞式典では森喜朗・日本プロスポーツ協会会長が「国民に大きな勇気や希望を与えていただいた」とあいさつ。鬼武健二副会長から盾などを受け取った坂本騎手は「賞をもらえるとは思ってもみなかった。会場に来て実感がわいた」と喜びを語りました。 |
